今回は「5S」について。
「その17」以前が未読の方は先ずは一つ前の以下の記事から。
さて、皆さんの職場はきれいで機能的だろうか?
と聞かれても、その判断は人それぞれだろう。
誰がみても雑然として汚く、何がどこにあるのかさっぱりわからないような職場や職域でも、毎日そこで仕事をしている人、その本人にとっては「きたなくないし問題ない」と言う事になる。
しかしあらためて「より効率よく」とか「ムダが発生しない」という高い指標を掲げなおしてみると、まだいくらでも改善の余地がある事がわかるはずだ。
その人が、現実を受け入れるかどうか、と言う問題は残るが。
しかし一方で「5S」と聞いて、「効率がよくなる」とか「改善が進む」とか「仕事が楽になる」というキーワードに繋がる、と言われると、素直にそれを受け入れられない人のほうが多いのも事実だ。
むしろ「5S」をやるという事は効率は落ちるしムダが増える、という理解をしている人が多い、特にアホな管理者にそういうのが多いな。
最初に結論を書くと「5S」をやって目論見通りにうまく行けば、仕事は楽になるし効率は上がるし成果が出るようになる。
これが事実だ。
既に気がついている人も多いと思うが、これはそもそも話は逆で、仕事を楽に、効率良くして成果が出るようにするために「5S」をやるのだ。
だから、だいたいアホな管理者のもとにだめになっている職場や企業では、そもそも逆の展開で最初から「5S」が形骸化するように仕掛けている、というわけ。
では、最初から論議してゆこう。
但し、このブログのいつものやり方で、吊るしで得られる情報は事前に他から得てきてほしい。
さて、先ず大前提をはっきりしておかなければならない。上記リンクのWikipediaにある解説はかなり間違っている。
先ず冒頭に「5Sとは職場環境の維持改善で用いられるスローガンである」と書かれているが、スローガンではない。
手法だ。
同様に5Sのデメリットが2点上げられている。
・コストがかかる
・すぐに効果が表れにくい
正しく導入すれば元々必要だったコスト以上にはかからず、すぐに効果が現れる。
では、今回から2回に分けて解説してゆこう(2021.07.15訂正:解説の都合で3回になりました)。
もくじ
・「5S」という手法の導入[本記事]
・手法としての5S(3S)[次回]
整理,整頓,清掃
・職場文化を改革する[次回]
清潔,躾
・「5S」という手法の導入
既に書いたが、先ず何の目的で5S手法を導入するのか、経営層から管理者層、できればリーダー層までで論議する。
もちろん鶴の一声でスタートさせるのも良いが、その場合でも「目的はなにか」をはっきりとした上で社員全員に徹底する。
大大失敗するパターンはこんな感じだ。
「なんだか社内が雑然としているし業績もいまいちだなぁ。そうだ5Sをやろう」
京都に行くわけではあるまいし、これでは5Sでなくても失敗するに決まっている。
「5S」という単語が出てくる前に、例えばIE手法の「稼働分析」の「ワークサンプリング」などを実施して、非作業の割合を把握するなど、先ずは事実を明らかにしておくことも重要だ。
スタッフ部門でも、妙に立ち話が多いとか、物を探している時間が多いなどの事実があるかどうかだ。
雑駁でも良いのでそういう事実を、それも経営のトップが把握して問題視することから話はスタートする。
そして、それを解決、改善するために「5S」という手法を採用して、手法の学習からスタートする。
という事を、社員全員に徹底する。
そして社員の殆どが現状のマズさを知り、改善の必要性を理解する。
理解してもらうにはイベントや論議の会などが必要だろう。
もちろん、最初からゆくゆく「5S」を導入するんだよ、という事を秘密にしておく必要はない。
ここで重要なのは、「5S」の導入時に、社員が目的と手段を混同してしまうことがないように、そのポイントにおいては慎重に展開する、という事になる。
とにかくまぁまぁうまく行っていて危機感がない企業ほど、目的と手段を混同して仕事をしていることが多い。
以前書いた以下の記事も参考になるだろう。
全社の5S事務局を設置して展開するが、最初の段階では職場を競争させるようにはさせてはいけない。
初期状態の違い、職場や業務によっての有利不利があるから、全体が一定レベルになるまでは競争はさせず、先行している職場の管理者やリーダーが、遅れている職場に応援に入り底上げを支援するなどの工夫が必要だ。
5S導入における注意事項をもう一度書いておこう
・「5S」手法という手段ではなく、効率化などの目的を大切に進める
・経営者が率先し全社活動として進める
・上記2点を徹底するためにイベントなどを打ってゆく
・全体の理解が得られるまではスタートを掛けない
・最初は底上げを重視し職場間の競争は推奨しない
目的は、ムダがなく効率よく快適に機嫌よく仕事ができ、成果を上げられる職場づくりだ。
では、具体的に「5S」と言う手法はどのような作りになっているのか?、どのようにしてゆけば良いのかについては次回解説したい。
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今日の一曲
「REUNION」Little Glee Monster
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