tomo1961’s blog

-コロナ禍58で早期退職した田舎者の顛末'ing-

部屋が大変なことになってきた [No.2026-075]

最近の私のブログを振り返ってみると、SNSのトレンドやニュース記事から着想を得た話題が続いていました。なぜかと言えば、お恥ずかしい話ですが、ブログに書けるような「自分自身の旬なトピック」が少し枯渇気味なのです。

 

しかし、それは決して何もしていないからではありません。むしろその逆で、ある一つのことに没頭しすぎて、他のことに全く手が回っていないというのが正直なところです。

その「没頭」の正体は、数ヶ月前から取り組んでいる1978年製バイクのレストア作業。

車種はホンダTL125Sバイアルスで、40年ほど前まで自分が乗っていたそのものです。

 

退職したらレストアしてこれを乗り回そう!と何十年も前から計画していたのです。

20代の若き頃トライアル大会に出場してみた時の姿

作業の経過は自分の備忘録として週に一度noteに詳しく記録してはいるのですが、今は生活のすべてが「こいつ」に支配されています。

 

気がつけば「室内ガレージ」状態

さて、現在の我が家の2階の一室(元子供達の部屋)の惨状がこちらです。

現状部屋に置かざるを得なくなっている部品たち

この部屋は今や完全に「バイクのAssy(アッセンブリー)保管場所」と化してしまいました。

昨年の11月からすべてのパーツをバラバラに分解し、一つずつ丁寧にクリーニングとチェックを行った上で、修正が必要なら手を加え、塗装部品は再塗装し、ダメな部品は代替品を探すという地道な作業。

うちにはガレージがないので、どうしてもこうなってしまうのです。

 

驚くべきはホンダのパーツ供給体制で、50年近く前の車体であっても、消耗品を中心に今でも手に入る部品があるのには頭が下がります。

増え続けるパーツと、戻せないジレンマ

40年前に分解したあと床下に保管していたのですが、一つ一つ再生して組み上がったものを、再び暗い床下へ戻すのはなんとも忍びないものです。

「せっかく綺麗になったのだから」と部屋に並べていくうちに、ホイール、フレーム、フロントフォーク……と、次第にバイクの構成要素が部屋を占拠し始めました。

 

床に広がるパーツ群を見つめていると、かつて現役で走っていた頃の息吹が少しずつ戻ってくるような感覚があり、ついうっとりと眺めてしまいます。

しかし、客観的に見れば「部屋の中に大きな鉄の塊が散乱している」という、実にまずい状態であることは間違いありませんし、家族にとっては文字取り「ただの鉄くず」なのですよね。

家族の黙認と、自立へのカウントダウン

この「室内ガレージ化」に対し、家族が何も言わないわけではありません。今のところは、暗黙の納得のもとに沈黙を保ってくれているのだと思われます(もちろんそんな恐ろしい質問をしてみたことはありません)。

 

それは、

「サスペンションとタイヤを取り付け、車体として自立できるようになったら外に出てゆく」

という事。

地面に立って転がせるようになれば、ようやく外に出てゆくことができます。つまり、今のこのカオスな状況は、レストアが着実に進んでいる証拠でもあるわけです。

 

家族の忍耐が限界を迎えるのが先か、この僕の愛車が大地に立つのが先か。

まさに時間との戦いですが、この「不便だけれど充実した時間」も、レストアの醍醐味と言えるのかもしれません。

完成への道筋

バイクを組み立てるということは、単に形を戻すだけでなく、当時の設計思想をなぞる作業でもあって楽しいのです。そして部屋が狭くなるに合わせて、私の頭の中では完成したバイクで走るイメージは膨らむ一方です。

 

早く外に出してあげたいという気持ちと、いつまでもこの綺麗なパーツを眺めていたいという矛盾した気持ち。そんな葛藤を抱えつつ、今日も朝から作業に取り掛かります。

 

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ペンライトデモが動員3万人?!数字の裏側を考える [No.2026-074]

どんよりとした曇り空で始まった月曜日、いかがお過ごしでしょうか。

私は今朝、久しぶりに奮発して買ったちょっと良いコーヒー豆を丁寧に挽いて、その香りに癒やされながらPCに向かっています。

 

今日は、少し前に話題になったニュースについて、コーヒーを飲みながらふと思ったことを綴ってみます。

 

3万人という数字のインパクト

2026年4月8日、東京の国会正門前で「平和憲法を守るための緊急アクション」、通称「ペンライトデモ」とされた集まりがあったようですね。

朝日新聞や日刊ゲンダイ、毎日新聞といったメディアがこの様子を報じていましたが、そこで発表された参加人数はなんと「3万人」。

 

夜の闇に光るペンライトの群れは、確かに映像で見ると幻想的で、それだけの熱量があるように見えたかもしれません。しかし、これを聞いて「おや?」と思った方も多かったのではないでしょうか。

 

物理的な限界と「ネット検証部隊」の鋭い視点

私もあの国会周辺の地理には多少心当たりがありますが、あの一帯に3万人もの人間がギュウギュウに詰めかけるのは、物理的にかなり厳しいだろうとすぐに分かります。

 

案の定、ネット上の「検証部隊」とも言える方々が、さっそく動いていましたね。Googleマップなどの航空写真から集会エリアの面積を割り出し、1平方メートルあたりの標準的な収容人数から算出した推定値は、約3千人程度

公式発表の10分の1という数字には驚きを通り越して、少し冷ややかな気持ちになってしまいます。もちろん、流動的な人数を正確に把握するのは難しいことですが、ここまで乖離があると「数字」そのものの意味がなくなってしまいました。

 

事実を曲げた先に何が残るのか?

ここで疑問に思うのは、

「事実を伏せたり、数字を大きく見せたりしてまで達成したいことは何だろう?」

という率直な疑問です。

 

確かに、数字が大きければ「世論が動いている」という強いインパクトを与えられるでしょう。しかし、今の時代、誰でも簡単に情報の検証ができてしまいます。後から「実は10分の1でした」とバレてしまったとき、失われるのはその運動自体の信頼性ではないでしょうか。

嘘や誇張を含んだ土台の上に、何かを築き上げたとして、それは果たして長く続く「平和」や「正義」に繋がるとは思えませんよね。

 

若者たちに同じ轍を踏ませないために

かつて、熱狂の中に身を投じた「安保世代」の方々がいました。当時の情熱自体を否定はしませんが、客観性を欠いた運動が結局どのような結果を招いたか、歴史が証明しています。

 

今の若者たちには、つくられたイメージや数字の勢いに流されるのではなく、冷徹なまでに事実を見つめる目を持ってほしいと願っています。

自分たちの信じる道だからこそ、誠実で、透明なものであってほしい。そうでないと、結局は「失敗したおじいさんたち」と同じ道を辿ってしまうのではないかと、少し心配になってしまいます。

 


「真実」の重みとは

SNSやメディアから流れてくる情報を、そのまま鵜呑みにするのは楽かもしれません。でも、美味しいコーヒーの味をじっくり確かめるように、情報の「中身」も自分の感覚と理性で確かめる癖をつけたいものですね。

 

誇張された”3万人”という数字より、真実の3千人の「声」の方が、当然に重みがありますから。


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日本の本当の”大きさ”を知っていますか? [No.2026-073]

ヨーロッパに日本の地図を重ねると...

知っているようで意外と知らない「日本の本当のサイズ感」についての話しなんですが。

世界地図を見て「日本って小さいなぁ」と感じたことはありませんか? 実はそれ、私たちが普段見慣れているメルカトル図法の「魔法」にかけられているだけかもしれません。

 

緯度が生み出す「地図の歪み」の正体

学校の教室に貼ってある世界地図の多くは「メルカトル図法」という描き方で作られています。これ、実は航海用には便利ですが、面積を比べるのには全く向いていないことは多くの人は頭では知っていることですよね。

理屈を簡単に言えば、メルカトル図法で書かれている地図では「高緯度(北極や南極)に行けば行くほど、面積がびよーんと横に引き伸ばされてしまう」という特徴があります。極論、地図上では赤道と同じ長さに見える北極点も、実際にはただの「点」ですからね。

この歪みのせいで、北の方にあるロシアやグリーンランドは実物より巨大に見え、赤道に近い国々は相対的に小さく見えてしまうというわけです。

 

実際に比べてみると……日本は意外と「デカい」!

ここで面白いツールをご紹介します。地図上の国を自由に動かして、実際の面積を比較できるサイト「The True Size Of ...」です。これを使って、日本を他の国と重ねてみると驚きの結果になります。

  • ヨーロッパと比べると? 冒頭写真を見てください。日本をヨーロッパに持っていくと、イギリス、フランス、ドイツといった主要国よりも、日本の方が南北に長く、面積も広いことがわかります。イギリスと比較すると、日本の方が約1.5倍も大きいんですよ。「東洋の小国」なんて言わせたくないですよね。

  • アメリカと比べると? 緯度が近い米国と比較しても、日本の南北の長さは東海岸の主要都市をすっぽり覆うほどのスケール感があります。

  • フィリピンも侮れない! 私が4年間を過ごしたフィリピンも、実は島々を合わせると非常に広大な面積を持っています。メルカトル図法では赤道に近いため小さく見えがちですが、実際にはかなり存在感のある国なんです。

トーゴの訴えと「地図の公平性」

さて、この地図の歪みをめぐって、最近面白いニュースが話題になりました。西アフリカのトーゴが、

「メルカトル図法はアフリカを不当に小さく見せている。国連で廃止を求めるべきだ」

と声を上げたというお話です。

※補足:実はこのニュース、元々はエイプリルフールのジョーク企画が発端だと言われていますが、それが世界中で拡散されるほど「地図の不平等さ」は多くの人にとって関心の高いテーマだということでしょう。

確かに、アフリカ大陸の実際の面積は、アメリカ、中国、インド、そして欧州のほとんどを飲み込めるほど広大です。それなのに、地図上ではグリーンランドと同じくらいに見えてしまうのは、アフリカの人々からすれば「正しく評価されていない!」と感じるのも無理はありませんよね

 

視点を変えれば世界が変わる

こうして見てみると、私たちが「当たり前」だと思っていた世界地図の姿も、一つの側面に過ぎないことがわかります。

  • 日本は決して「小さな島国」ではないこと

  • 地図には必ず「歪み」が存在すること

  • 固定観念を捨てて比較すると、新しい発見があること

「日本は小さいから……」と謙遜しすぎる必要はありません。世界を正しいサイズで眺めてみると、これまでとは違った国際感覚が身につくかもしれませんね。

皆さんもぜひ「The True Size Of ...」で、お気に入りの国を動かして遊んでみてください。きっと「えっ、こんなに大きいの!?」という驚きがあるはずです。

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皆さん!「辺野古ボート転覆事故遺族メモ|note」を読んでください [No.2026-073]

公開されて以来、更新されるたびに読ませていただいています。

 

お父様が記録され続けている事実と、ご家族のお気持ちを日本中の人に読んでいただきたい。

 

今日はそれだけ、

note.com



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知ってました?日本はエネルギー依存をうまく振り分けているって [No.2026-072]

今朝のモーニングサテライトはご覧になりましたか?

この番組内の「プロの目」というコーナーに、ゴールドマン・サックスの太田知宏さんが出演して「原油調達難……モノ不足はどこから?」というテーマで解説されていました。

そこで示された一枚の図に、私は思わず「おっ」と声を上げてしまったのです。

 

皆さんは、この50年間で日本のエネルギー事情がどれほど劇的に変化したか、ご存知でしたか?私はこれほどまでとは知りませんでした。

 

50年前と今、この「分散」の凄さに驚きませんか?

番組で紹介されていたのが、1975年と2024年の日本のエネルギー依存度を比較したデータです。

まず目に飛び込んでくるのは、「原油・石油」への依存度の変化です。1975年当時は全体の72%を石油に頼り切っていました。まさに「石油が止まれば国が止まる」という危うい一本足打法だったわけですね。それが2024年には35%まで低下しています。

さらに注目すべきは、地政学的なリスクの象徴である「ホルムズ海峡」を通過するエネルギーの割合です。

  • 1975年:54%

  • 2024年:22%

なんと、半分以下にまで抑え込んでいるのです。特定の海域やルートに依存しすぎないよう、50年という長い歳月をかけて、石炭、天然ガス、そして再生可能エネルギーへと、着実にポートフォリオを分散させてきた足跡がはっきりと見て取れます。

 

「グローバリズム」の罠に陥らなかった日本

この図を見て、私は改めて日本の危機管理能力の高さを感じました。

 

例えば欧州の優等生と言われていたドイツを思い出してみてください。ドイツはかつて、安価なロシア産天然ガスへの依存を強め、さらには一部とはいえフランスからの原発電力の輸入に頼る道を選びました。

メルケル政権下で進められたこの方針は、一見すると経済合理性にかなった「グローバリズム」の成功例に見えましたが、ウクライナ情勢の悪化によってその脆弱性が一気に露呈してしまったのは記憶に新しいところです。

 

一方で日本は、特定の国や資源に過度に依存することの危うさを、1970年代のオイルショックで身に染みて理解していたのでしょう。周囲に流されすぎず、地道に、かつ戦略的に「リスクの分散」を続けてきたわけです。

これだけの長期間、政権が代わっても一貫してエネルギー安全保障を積み上げてきた。この背景には、間違いなく現場で汗をかいてきた優秀だが無名な官僚の方々の並々ならぬ努力があったはずです。一国民として、静かに敬意を表したい気持ちになりました。

 

モノ不足の時代だからこそ見える「守りの力」

昨今の世界情勢を見ていると、エネルギー価格の高騰や物流の混乱など、「モノ不足」の影が常にちらつきます。私たちはどうしても「もっと安く」「もっと効率的に」という攻めの姿勢ばかりに目を奪われがちですが、国家の根幹を支えるエネルギーにおいて、これほどまでに堅実な「守り」を固めてきたことは、もっと評価されても良いのではないでしょうか。

 

もちろん、脱炭素への対応やエネルギー自給率のさらなる向上など、課題はまだまだ山積みでしょう。しかし、この50年間の変遷を見る限り、日本という国は意外と(失礼!)しぶとく、賢く立ち回ってきたのだなと勇気づけられる思いです。

 


データを見て感じたこと

  • リスク分散の徹底:石油一本足打法から脱却し、ホルムズ海峡通過シェアを半分以下にした実績は驚異的。

  • 他国との比較で見える賢明さ:安易な隣国依存に走った欧州諸国とは対照的に、独自の危機管理を貫いた。

  • 現場の力への感謝:50年計画でこの形を作り上げた日本の専門家や官僚たちの仕事ぶりに拍手を送りたい。

投資の世界でも「卵は一つのカゴに盛るな」と言われますが、エネルギーという国の一番大きなカゴを、日本は時間をかけて丁寧に守り育ててきたようです。皆さんはこの変化、どう感じられましたか?


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どうなってる?!ホルムズ海峡以外からの原油調達の見通しは? [No.2026-071]

ここのところ毎日「ホルムズ海峡が通れない!」というニュースが続いています。

実際に私たちの手元に届くガソリンや灯油はどうなってしまうのか、少し心配になりますよね。

 

でも実はもう既に、日本へ向けて「海峡を通らない」ルートでの大輸送作戦が展開されています。これ、ちょっと調べれば出てくるのですが、メディアは意地になっているのでしょうか?ホルムズ海峡が通れないことだけを放送していて異常ですよね。

 

輸送の最前線!「中東回避ルート」の現状

日本はこれまで原油の約9割を中東に頼ってきました。

tomo1961.hateblo.jp

今はホルムズ海峡が使えませんから、別の道を探さなくてはなりません。現在、主に2つのルートで調達が進んでいます。

1. 中東のパイプラインから紅海へ
海峡を通らず、陸路のパイプラインでサウジアラビアを横断し、紅海側のヤンブー(Yanbu)港から出荷するルートです。

  • 到着実績: 3月末に第1便が無事到着し、4月5日にも次の便が届いています。

  • 見込み: 4月25日ごろには、さらにまとまった量が日本へ到着する予定です。

2. 地球を半周する「アメリカ・ルート」 今、最も期待されているのが米国産の原油です。現在、8隻の大型タンカーが日本を目指して航行中です。

  • 到着時期: 4月末から5月末にかけて順次到着。

  • 輸送の裏側: 中型船はパナマ運河を通れますが、超大型タンカー(VLCC)は運河を通れないため、アフリカの喜望峰を回る「大航海」をしています。中東からなら20日程度のところが、このルートだと約45日もかかってしまうんですね。

意外と知らない?世界のガソリン価格との比較

「輸送に時間がかかるなら、ガソリン代も爆上がりするのでは?」と身構えてしまいますが、ここで少し視点を変えて、今の世界のガソリン価格(1リットルあたり)を見てみましょう。

  • 香港:約490円(世界最高値圏。家計へのダメージが凄まじいです)

  • ノルウェー・ドイツ:約320円〜350円(環境税の影響もあり、欧州は軒並み高めです)

  • 日本:約175円〜185円(政府の補助金があるおかげで、実はこれでも世界的には「中堅」です)

  • アメリカ:約140円(産油国なので安いですが、最近のインフレで現地でも悲鳴が上がっています)

こうして見ると、日本は資源がない国ながら、必死に価格の急騰を抑え込んでいる様子が伺えます。ただ、今後アメリカからの輸送コストが本格的に価格に反映されると、もう一段の辛抱が必要になるかもしれません。

 

私たちの生活への影響はどうなる?

今回、アメリカから届く予定の約1,200万バレルという量は、日本の消費量の3〜4日分に相当します。「それだけ?」と思うかもしれませんが、これに中東の代替ルートや政府の備蓄放出を組み合わせることで、供給の空白を作らないように工夫されているわけですね。

機械のメンテナンスでも「予備パーツがあるかどうか」で安心感が違うように、エネルギーも「調達先を分散させておくこと」が、いざという時の生命線です。

 

まとめ:供給網の「粘り強さ」に注目

さて、今回の原油調達の見通しをまとめるとこんな感じです。

  • 4月後半から5月にかけて、アメリカ産原油を積んだタンカーが続々と日本に到着する。

  • 中東の代替ルートも機能しており、4月末にはさらなる追加供給が見込まれる。

  • 世界のガソリン価格と比較すると、日本はまだ安定している方だが、輸送日数の増加によるコスト増が今後の焦点。

そもそも”止まる”とか”詰む”と喧伝している人たちは最近の株価を見ていないんでしょうか?

遠くメキシコ湾やアフリカの喜望峰を回ってやってくるタンカーに思いを馳せつつ、今は供給網の粘り強さを信じて、冷静に状況を見守っていきたいところです。

 

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TOTOが出荷制限?その背景に透けて見える「流通の歪み」と「デマ」の正体 [No.2026-070]

4月14日経済産業省発表資料より抜粋

先日、トイレなどの住宅設備最大手であるTOTOが公式に出荷制限を発表し、業界に激震が走りました。リフォームを予定していた方や、現場の職人さんたちは「へ?!ついにか……」と頭を抱えたことでしょう。

 

しかし、この騒動の裏側を覗いてみると、単なる「材料不足」ではない、なんとも不可解で「愚か」と言わざるを得ない実態が見えました。

 

拡散された「LIXILも!」という情報の真偽

TOTOの制限発表を受けて、SNS上では瞬く間に「LIXILも出荷制限をかけるらしい!」「業界全体が止まるぞ!」といった情報が駆け巡りました。

 

結論から言うと、これは完全なデマでした。 不安に駆られたユーザーや業者が憶測で発信したものが、尾ヒレをつけて拡散されてしまったようなのです。情報が錯綜する現代、まずは公式サイトなどの一次情報を確認することの重要性を改めて痛感させられます。

 

「シンナーだけが足りない」という違和感

今回の出荷制限の理由として挙げられていたのが、塗料や接着剤に欠かせない「シンナー(溶剤)」の不足です。

実際、末端の接着剤メーカーなどでは入手が非常に困難になっていたそうです。

 

ですが、化学や石油製品の仕組みを知っている人からすれば、これは極めて不自然な話です。 石油の精製過程(ナフサからの分解を含む)からは、ガソリンや灯油、そしてシンナーの原料となる成分など、多様な製品が同時に生産されます。

 

ですから私も変だなぁと、

「ナフサが原料の他の石油製品は流通しているのに、なぜシンナーだけがピンポイントで枯渇するのか?」

この違和感は、やはり的中していました。

 

経済産業省からの「お達し」と驚きの真相

昨日、経済産業省の記者会見と公式SNS等で、かなり踏み込んだ内容の「お達し」とも言える発表がありました冒頭画像の経産省発表資料の通り)

 

その内容は、ある意味で非常にショッキングなものです。要約すると、

「シンナーのメーカーと一部の卸売業者が結託し、意図的に流通量を半分程度に絞り込んでいた」

という実態があったとのこと。

 

本来、社会全体のインフラを支えるべきサプライチェーンが、一部の利益や勝手な判断によって歪められていたわけです。正当な理由もなく、個別の業界(あるいは特定のルート)だけでこのような動きをするのは、市場全体を混乱させる「愚か」な行為と言わざるを得ません

 

誰がための「制限」だったのか

今回の騒動で最も被害を被ったのは、納期遅延に振り回された施主さんや、現場で必死に段取りを組んでいた工務店の方々です。

「在庫を抱えて価格を吊り上げようとした」のか、あるいは「過剰な先行き不安による抱え込み」だったのか……。いずれにせよ、経済産業省が名指しに近い形で注意喚起を行うというのは、それだけ目に余る状況だったということでしょう。

 


私たちは情報とどう向き合うべきか

今回の騒動から学べる教訓は、以下の3点に集約されると思われます。

  • 一次情報の確認: 「〜らしい」というSNSの声を鵜呑みにせず、メーカー公式発表を見る。

  • 構造的な違和感を信じる: 「特定のものだけが消える」という不自然さには、必ず裏がある。

  • パニック買いを控える: 流通の目詰まりは、末端の過剰反応によってさらに悪化する。

TOTOの出荷制限自体は現実に起きていることですが、その引き金が「特定業界による人為的な流通の絞り込み」であったという事実は、本当に情けない話ですね。

 

シンナーなどの化学製品は、塗料などの多く生産用資材製品となって間接的に私たちの生活につながっている大切なインフラです。今後は、健全で透明性の高い流通が行われることを切に願うばかりですね。


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