久しぶりに、いわゆる”良書”に出会い一気に読んだ。
「GHQ検閲官」という名前の書だが、実際の検閲業務については、もちろん詳説しているものの多くのページを費やしておらず、戦前の大陸での生活やその精神、戦後地方では農家でもない限り毎日の食料調達に大変なご苦労をされていた、というような生々しいお話が書かれており、記録としても大変な価値があるものと言える。
蒙古(現在は中国共産党に実効支配されている内モンゴル自治区)での出来事や、終戦後も中国の国府側である閻錫山の命により武装解除しないまま中国共産党と戦い続けた等、現代日本にあっては言ってはいけないかのように、メディアでは語られない話も多く出てくる。
特に現在の北朝鮮の向こう側の満州や蒙古等の当時の統治の状況については、日本の教育でも触れられておらず、知らないまま大人になっている人が多いだろう。
以下「満蒙開拓平和記念館」のミニ知識のページに簡潔に書かれているので、歴史的事実として知っておくとよいだろう。
2016年には当時はまだ天皇陛下であった上皇様もご訪問されている。
小野田寛郎さんの書籍にも書いてあったが、戦後本当の賢人やエリート学者,経営者は公職を追放され、その後今まで長きに渡って実質的な左派思想遂行のための言論統制が行われているのだな、という事を再確認させられた。
戦前の日本の事はほとんど伏せられていて、特に天皇制や神道の意味などは、この2022年に至っても一般国民の認知から遠ざけられているのだ、悲しいことだ。
今年が皇紀何年なのかもわからない今の日本人...
検閲についても、その手順や上司や同僚との関係など詳しく書かれていて生々しい。
「あおいくま」が当時は「オイアクマ」として今と同じように語られていた、というのには驚くとともにちょっと嬉しくなった。
よく”事実は存在しない。存在するのは解釈だけだ”というが、本書は甲斐さんが毎日残してきた日記と、それを基に執筆時に複数人によって他の資料と再度突き合わせを行ったという事で、結果客観的な事実が基礎になっているからこそ、私が感じたその時代の生々しさが重々しく伝わってくるのだろう。
経営科学出版社の以下のページから購入できるので、興味がある方は購入してゆっくり読んでみることをお勧めする。
本書は、著者の甲斐弦さんが既に他界されていて、経営科学出版社から著作権法第67条の2第1項の適用を受けて再出版にこぎつけたとの事。
尚、経営科学出版社は”サブスクなどを解約することが出来ない”、というようなネガティブな偽情報が流布されているが、私自身1年前にサブスクの解約申請をして、且つ申請した日が既に翌月に入ってしまっていたにもかかわらず、前月の分の返金をしてくれるなど、実際の対応はとても親切だった。
本書を出版した葦書房は出版社としては既に解散し、しばらくは在庫本処分などを行っていたようだが...
詳しくはWikipediaを参照願う。
経営を引き継いだ創業社長久本三多氏(故人)の元妻・久本福子氏がその後を継承しているとの事だが、現在ではいわゆる過激左派思想のブログサイトになっていて出版事業には携わっていないようだ。残念な事だ。
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今日の一曲
「Hotel California」The Eagles
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