tomo1961’s blog

-55を過ぎてギターを始めた男が早期退職した後の顛末'ing-

YAMAHA APX500 修理したよ [No.2021-H001]

 

趣味や旅行については火曜日に書いてきたのだが、ここ最近ギター沼にさらに足を取られているので、毎週ギターのことばかり書くのも面白くないと思った。

 

そこで、ギターに関する話題は、しばらくの間=沼の浅いところに戻ってくるまで、は、番外として1回/週程度不定期に記事にして、火曜日はギター以外の話題を書いていこうと思う。

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*去年その悪友と行った上高地から撮影した焼岳の写真

 

さて、先日、中学の同級生で近所に住んでて、今でも呑んだり一緒に山に行ったりする悪友からLINEがあった。

 

というか、還暦近いおじさん、おあばさん同士、我々同級生はいつもLINEし合ってる。

 

何用かというと、メインで使ってるAPX500の調子が悪い。5月の連休のお祭りでライブをするので診てほしいとの事だ。

 

ん?なんで俺?

 

とも思ったが、曰く「tomoは長年精密工業に携わってて、且つ今は暇だろうからちょっと診てよ」という事だ。

 

まぁそこまでは間違ってはいないから何も言い返せない。

 

LINEで症状を流してくれた。

 

その症状とは

・アンプに繋ぐと1弦と6弦の音が出ない
・アコギとしては問題ない

 

そんなんピックアップのどこかじゃん?
俺ピックアップ付きのギターなんてさわったことないんだけど。

 

「でもいろいろ知ってるtomoなら治せるはずだから」

 

んん、そこまで言うと正しくはないぞ。

 

そのLINEが来てから30分も経たない内に彼はギターを持ち込んできた。

きったなくしてるギターだった。というかいつも汚くしてるのは前から知っていた。

 

弦も錆びっサビで...これでライブするつもりだったのかぁ?

 

汚くて触りたくない程なので、先ずは私の汚い部屋に入れても良い程度に清掃した。

 

清掃してみると、ブラックのボディーがピッカピカで、サウンドホールの飾りがイカしていてなかなかいいギターじゃん。

 

さて、ピックアップの事もAPXのことも何にも知らないので、先ずはネットで情報収集したが、APX500は生産時期によって素子の仕様が微妙に違うようで、ある時期のものだとネット記事の写真を見る限り、私ごときが手を出さないほうが良さそうに思えた。

 

ネット情報からわかった事

・ピックアップはアンダーサドル式のピエゾ素子

・従ってサドルの底面がきちんと素子面に密着していないと”一部音出ず”となる

・弦高調整は出来ません。と書いてある...え?!ウソでしょ?

 

ま、これらの情報が全て真実とか、手元に舞い込んできたこの個体と一致しているかどうかはわからないので、先ずは恐る恐るサドルの下のピエゾ素子の所を覗いてみる。

 

構造はこんな感じ(写っている細長いシートの話は後出)。

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このサドルには側面に段差が設けられていて、何故かピックアップユニットのケースの側面に乗っかるようになっている。だから、普通のアコギのサドルのように、サドル自体の底面をいくらサンディングしても、構造的に弦高を下げることができない設計だ。

 

一方で、このピックアップのケースの下に、妙なシムが2枚入っていた。

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ピックアップの長さが70mmちょいあるのに対して、1枚は53mm、もう一枚が66mmの長さしか無くて、ちょうど中央に入っていたので、ピックアップユニットの1弦と6弦の下が空洞になってしまう。その為にセンサーに圧が伝わらない事が考えられた。

 

更に調べてみると、サドルの底面がとっても雑にサンディングされていて、極端に書くと下の写真の赤線のように、両側に行くにつれて船のように削れ過ぎになっていることがわかった。

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その悪友はこれをリサイクルショップで買ったと言っていたから、前のオーナーが手抜き修理をしたのだろう。それにしてもヒドイな...いいギターなのに。

現物の状態

・ピックアップユニットの下に2枚のシムが入っていた

・1枚は長さ53mm、厚さ0.5mm

・もう1枚は、長さ66mm、厚さ0.2mm

・サドルの底面がサンディングされていて、平面でなく両端付近が削れ過ぎていた

 

ネットで得られた情報と、手元の現物の状態を総合すると、ピックアップの両端に隙間が出来てしまっている事が原因で、1弦、6弦付近でサドルから素子への振動の伝達が不足しているのと思われた。

 

やった事

・もともと入っていた怪しいシムは取り外して廃棄

・サドルの底面をサンディングして平面にする

・サドルを削った分が約0.2mmになったので、その分シムを合う寸法に切って(最初の写真に写っているヤツ)を入れる

・その悪友は弦高が高いのが良いらしいので(なんでだ?!)、ピックアップユニットの底面に必要十分な長さの新たに作った0.2mm厚のシムを2枚入れる

 

元の怪しいシムが2枚合わせて0.7mmで、新たに入れた0.2mmのシム3枚の内、サドルの高さに関係するのは2枚だから、高さは0.3mm下がってしまうが、それでも弦高が3mmくらいはあるので大丈夫だろう。

 

先ずはその錆びっサビの弦のままで治っているか確認すると、アンプから全弦の音が正常に鳴るようになっている。アタリ!大丈夫だ。

 

きったね〜弦を全部外して、買い置きの新品に交換して仕上げて完了だ。

 

APXはサウンドホールの丸がマルじゃないし、ヤツがいつも楽器を汚くしてるのを見ていたので好きじゃなかったのだが、こうしてきれいにしてメンテしてみると、なかなかどうして結構素敵でイカした良いギターじゃねーの?

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*この個体はサドル付近のトップ板が盛り上がっているんだよな。APX500は剛性が低いのかな?修正のやり方がネットに転がってたから、いつか修理してみたいな。

 

私はギターが下手だから演奏には参加できないけど、お祭りのライブにはローディーとしてお手伝いに行こうかな。

 



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今日の一曲
「糸」中島みゆき

糸

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