tomo1961’s blog

-55を過ぎてギターを始めた男が早期退職した後の顛末'ing-

ギター修理したよ [No.2021-093]

 

ギターは古いものを2台持っている事は以前書いた。

tomo1961.hateblo.jp

 

YAMAHAのオレンジラベルのFG-251なのだが、以前の記事に書いた通り、弦高の調整をしたのだが、その時になんとナットの接着が浮いている事に気がついたのだ。こんな目立つ欠陥に今更気づいた!痛恨だ!

f:id:tomo1961:20210413075418j:plain

 

というかマヌケだ

 

これ、浮いた状態で固まってしまっているのだから、最初に接着した時に自分で作業をミスっていたということなのだ。

 

だが、買ってきて使えるようにナットを接着したのは半年くらい前の事なのに全然気がつかなかった。歳食って目が悪くなっちまったってことなのか?!

 

ホント、気がつかなかったなぁ

 

さて、落ち込んでいても仕方ないので修理するぞ

 

先ずはナットを取り外す。ポカンと一発

f:id:tomo1961:20210408110452j:plain

 

取り外したら、互いの部品の密着面に残った接着剤やデコボコをきれいに清掃して平滑にする。

f:id:tomo1961:20210408110725j:plain

 

きれいになったら接着剤を塗布して再度固定する。

f:id:tomo1961:20210408112133j:plain

 

使う接着剤は古(いにしえ)の昔から工作少年おなじみのコニシ(株)社の「ボンド木工用」だ

 

これがいい!

 

ギターのような木製楽器の修理にはアメリカの「タイトボンド」を使うのが世の中では定番のようだが、入手性が悪いし高価だし、調べてみるとどっちも「酢酸ビニル系エマルジョン接着剤」だから同じだね。

 

注)細かい事を言うとタイトボンドは「脂肪族樹脂系エマルジョン接着剤」で少し異なる。
木工関係の詳しいサイトをいくつか回ってみると、コニシと比べ硬化後の硬度が高い等の違いがあるらしい。硬いという事は音を伝えるという点では確かに有利だろう。しかしオープンタイムが短いなど扱いにくい面があり、木工のプロも使い分けているみたいだ。 だからまぁ総合的に見てコニシ(株)社の「ボンド木工用」最高という事にしている。

 

というわけで、その辺の文房具屋やホームセンターで手に入るこの「ボンド木工用」を使っている。全く問題ない。

 

ちなみに、話は逸れるのだが、こういった恒久的な締結を行う目的で瞬間接着剤を使うのは最悪だ。

 

そもそも瞬間接着剤の”瞬間”という単語は間違いだ。

 

この接着剤の正しい名称は「シアノアクリレート接着剤」であり、主成分のシアノアクリレートが空気中の水分と反応して硬化するのだが、硬化後長期的には同じく空気中の水分=湿気と反応し”加水分解”してボロボロになってゆく。

 

接着剤は硬化した後は「樹脂」として安定しているのが望ましいが、加水分解されてしまった後の瞬間接着剤はクズのようなもので、木材に染み込んだ後ガサガサのクズとして除去できないまま残ってしまい、2度目3度めの接着強度を下げる要因になる。

 

だから瞬間接着剤は一時的な仮止め以外に使用してはいけない。

 

話がだいぶ逸れた。

 

接着面に欠構部ができてしまうのを防ぐ為に、少しはみ出す程の量の接着剤を使い、部品同士を合わせたらすり合わせるようにして、余分な接着剤を溢れ出させる。

 

こうすれば(概ね)接着面は接着剤で満たされていることになる。

そして、はみ出した接着剤を拭き取って、あとは最低72時間静置しておく。

f:id:tomo1961:20210408112737j:plain

 

これでヨシ

 

3日後

弦を戻してチューニングして、2フレットと3フレットの間を押さえたときの1フレットと弦のすきまを測定する。

f:id:tomo1961:20210412092029j:plain

 

機械設計や工程設計などはプロとしてやっていたのだが、この隙間寸法がどの程度であるべきか?は、ギターのド素人なのでわからない(ここまでイジった末に笑えるケド)。

 

ネットを徘徊してみても、修理のプロとおぼしき人のサイトでも「紙1枚が入る程度」となっていたり、「限りなくゼロに近く」となっていたりまちまちで、数字で語っているところは見つからなかった。

 

紙の厚さも0.05〜0.10mm程度のばらつきがあるし、ゼロに近くと言っても乗っかってしまっているのは良くないだろうしなぁ。

 

このギターは、前回ナットを組み付けた時に溝も彫ったのだが、その時には各弦1Fのところで0.04mmが少しきつめに入る寸法にしたつもりだった。

 

今回あらためて測定してみた。シクネスゲージは0.02mm飛びでしか持ってないので以下のようになった。

1弦:通0.02,止0.04
2弦:通0.02,止0.04
3弦:止0.02
4弦:通0.04,止0.06
5弦:通0.06,止0.08
6弦:通0.06,止0.08

 

以上から、仮に適正値を ”紙の厚さとゼロの間を取って” 0.04mmにおくと。

1,2弦はやや低め

3弦は低過ぎ

4弦は良さそうなところ

5,6弦は高い

という結果だ。

 

1〜3弦は0.04mmより低いのだが、私の腕が悪いのか鈍感なのか、演奏上の支障は感じられない。

数字上は4〜6弦はもう少し下げても良いという事になるが、こちらも悪くはない感じなので、まぁこのままでいいかなとした。測定までした挙げ句にテキトーな結論だけど。

 

どっちにしても、このボロギターも今までこうやって色々といじって、少しづつ良くなってきて、弾きやすいしいい感じになってる。

 

今回の事でネットでいろいろ調べていて新たにわかったのだが、このギターのトップ板にはえぞ松材が使われているとの事。

 

えぞ松だとどう良いのか全然わからないが、最近の製品には使われていないみたいだから、なんか特別感があって嬉しいから練習の励みになるな。

 

先日のレッスンで「Lemon」の37から55小節を新たに教えてもらえたので練習しているのだが、ここのところギターの練習が楽しくて仕方なく、物書きが進まなくてマズイ状況だ。




=====
今日の一曲

この歌はイントロのアコギがいいよねぇ聴き惚れてしまう。

「輝く人」アンジェラ・アキ

輝く人

輝く人

  • provided courtesy of iTunes

 

輝く人【初回生産限定盤】

輝く人【初回生産限定盤】

 

 

*本ブログに掲載している広告とリンクを除く全ての写真はtomo1961又はその家族が撮影したものです。

-----
私のもう一つのブログ「50歳からの単独行」も、是非御覧ください。
50歳から再度山に登り始めたお話を小説風に書いています。
こちらからどうぞ↓

https://tomo1961.hatenadiary.jp/