なにか新しいことをやりたい、次のステップに行きたい、今の最悪の状況から脱出したい、などなど、人には必ず現状を打破したい、しなければならないと思う時がある。
これはとても健全なことだ。
現状打破ではなくても、とにかく何らかの変化を起こしたい、という事もある。
いずれにしても、打開策がないか乏しい時にそういう事を思う状態になるのだろう。
誰もがそこで悪あがきをする、それも健全ではあるのだが、最低限の法則を知っているかどうかで、その悪あがきの労力は大きく違ってくるだろう。
今回は、私の会社員人生のバイブルとなった、G・M・ワインバーグの「スーパーエンジニアへの道」から、変化を起こすためのMOIモデルについて紹介したい。
MOIモデルについては、本書の第二章「リーダーシップ様式に関するモデル」P15で紹介しているので、この本を持っている人は参照してもらいたい。
先ずMOIとは何か、
M:Motivation[動機づけ、モチベーション]
O:Organization[組織化、構造化、機能化、環境]
I:Idea 又は Inovation[着想、発想、アイディア 又は 技術革新]
この3つの要素のどれか一つでも足りなければ変化を起こすことは出来ない、という事になる。
これは、変化を起こしたいが、行き詰まっている時のチェックポイントとして覚えておくといいだろう。
例えば演習として、今私がハマっている、ソロギターの習得におけるMOIモデルを、関連する情報をネット検索して抽出してみた。
M:モチベーションを上げるには
・使うギターはいつも抱えたくなるような、自分の好きなモデルか
・そのギターは良い音を出し、体に心地よい振動を伝えてくれるか
・自分の好きな曲が練習曲として用意されているか
・気兼ねなく練習できる場所はあるか
など
O:必要な環境や支援は
・練習を手助けしてくれる環境はあるか
・教えてくれる先生はいるか
・上達に十分な情報が得られているか
・動画撮影など練習を手助けする機材は揃っているか
など
I:上達を実現する、又は助けになるアイディア、発想
・上達の為のアイディア、例えば柔らかい弦を使う等が得られているか
・その他、弦高、ナット高さ等上達を阻害している要素を除去できるか
・新たな練習方法の情報を常に吸収できるか
など
現実に、上の一覧は全て満たされており、結果、ここのところ毎日2時間以上ギターを抱えていて、少しづつだが上達できていることを実感している。すなわちMOIモデルが満たされた結果うまく動いている、という事になる。
仕事でも同様に、職場やプロジェクトを観察して、これらMOIの要素がそれぞれ満たされているかどうかを見てみよう。観察ポイントをM,O,Iに絞ることによって、行き詰まっている要因が見つけやすくなる。
M:成果が正当に評価される。など
O:チーム内で互いが協力し合えている。上司からの支援がある。必要機材が揃っている。など
I:上司やメンバーの提案によって常にブレークスルーが起きている。など
実際の職場はもっと複雑な要素が絡み合っているから、その状況の下で働いている人にしかわからないことも多いだろうから、一人で観察するだけに留めず、関係者への聞き込みも重要だ。
また、これは逆の使い方も可能だ。あなたがリーダーで、且つメンバーを完全に統制下におきたいような時に有効となる。
M:評価されない、楽しくないと感じさせ、O:不足している機材を補充せず、メンバー同士に不必要な競争をさせて互いに協力しないように仕向け、I:提案をことごとく否定すれば、職場の士気が落ちると同時に、盲目的にリーダーの言うことだけに従うようになる。
但しMOIが満たされていないから変化は起きなくなり、メンバーは仕事をしているふりをするようになり、成果は出ないという結果となる。
そしてこれを意図せずにやっている場合は、そのリーダーはますます逆MOIを強化してゆき、これがある一定の水準を超えると、その組織や企業はブラックとなる。
しかしそれにしても、こうして逆MOIを実行し自分に従わせて、メンバーが自分に従っている状態が”職場がうまくいっている”事なのだと勘違いしているリーダーは多いのではないだろうか?
さて、同様に社員の立場からの応用も可能だ。
所属している組織や企業が、このMOIを満たすよう行動、活動しているかどうかを確認してみることで、そこに勤め続けて良いのかどうかの判断ができるだろう。
MOIが満たされておらず、将来的にも満たされる見込みが見えないのであれば、そういうダメな場所で無用な努力はムダになるから、出来る限り早く転職を考え始めた方がいい。
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今日の一曲
「bob lennon」浦沢直樹
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