先日「定年退職者がスムーズに投資を始める為に大切な3つの事」という記事を書いた。
以下の3つが大切という記事だったが、今回は「投資信託」について論議してみたい。「投資信託」についても以下の3つはそのまま当てはまる。
・少しでも早く始める
・正しく始める
・投資を止めない
私が投資信託を買い始めたのは2020年の8月頃で、それまでやっていた個別株の現物取引だけでは限界があるな、と気がついたのがきっかけだ。投資を初めて半年の頃。
6月の頭に、それまでにいくつか持っていた個別株を次々と利確し、下手くそながらも初めてまとまった利益が得られたが、その後ヨコヨコが続き買うのが怖くなってしまっていた。さらに7月末から8月頭に日本株の値が落ち込んだ時には、先が全く読めず動くことが出来なかった。
そこで日本の個別株以外にも振り分けておくべきと考え、投資信託と米国株を始めることにし、日本株を減らしながら、投資信託と米国株に軸足を移してきている。
米国株の話はまたいつか、という事にして今回は投資信託の話しだから、先に私が買い続けている5つの投資信託の結果を書いておこう。
損益率はトータルで +10.5%/6ヶ月 (2021.02.25時点)だった。
今は5つのファンドを買っており、買い方は「毎日」が2つと「毎月」が3つだ。ドルコスト平均の効果が出るのを期待しての買い方だ。
しかし、ここのところ長期金利が上がった煽りを受けて値が下がっている銘柄が多いので、投資信託も少し下げが入るかもしれないが、そういう事はあまり考えずに決めた額を買い続けることがコツだ。間違っても「下がったので怖いから引き出す」という行為に出ないことだ。
これが「ドルコスト平均法」という取引方法だ。定額を定期的に買ってゆくので...
市場が安値の時には多くの数量が手に入れられる。
市場が高値の時には少ない数量だけを手に入れる。
という事になり途中の戦略が何もないのに効率よく資産を増やして行けるのだ。
現役時代に「投資信託」と「ドルコスト平均法」についてよく理解していればもっと早く投資を始めていたのに、と思う。
もっとも、24歳から退職の月まで34年間買い続けた会社の持株会は、まさに「ドルコスト平均法」で買い続けてきたのだ。これはまだ株式で持っているのだが、最近の株価で計算すると買った総額の約5倍になっている。もう少し上がったら少しづつ利確して投資信託に移してゆく計画だ。
しかしそれにしてもすごいと思わないか?ただただ定期的にお金を入れているだけで、半年で1割も増えてしまうのだ。何故こうなる?下がってもいいはずだ?どうなっているのか?
要は、宝くじやFXなどは「ゼロサムゲーム」であり、決まった総マスからの”取り合い”ゲームなのに対して、株式や債券を基にした投資信託は「プラスサムゲーム」なのである。もちろん”プラスサム”をどこかが保証してくれているわけではないのだが。
簡単に言えばこういうことである。
世界の人口は現在の77億人から今後30年で20億人の増加が見込まれているということだ。この20億人増というのは現在の世界人口の約26%にあたる。同じく平均寿命も6%伸びると予測されている。これは国連の広報センターが出している数字だ。
投資信託と何が関係あるのか?と疑問に思われる方もいるだろう。
わかっている方には二重の説明になってしまうが、理屈はこうだ。
世界の人口は今後30年は増加し続ける。平均寿命も伸びてゆく。人口が増えた分に見合うだけの経済活動が必要になるから、経済のマスが大きくなってゆく。
投資信託を販売しているファンドは、この経済の右肩上がりのラインに乗せて、都度有力株や債券などを乗り換えながら運用してゆく。だから、長期で見れば概ね世界経済の膨張トレンドに倣って運用益が増してゆく理屈だ(ファンドによって世界経済に連動しないものもある)。
例えば日本の年金を運用しているGPIFの2020年の運用実績は以下の通りだ。
1〜3月:ー17.7兆円 ←コロナ禍突入で大損!
4〜6月:+12.5兆円
7〜9月:+ 5.0兆円
10〜12月:+10.3兆円
2020年末の時点までで、コロナ禍の損失を挽回した上で10.1兆円の益となっている。
個別株に投資をしていると、銘柄毎の個別の事情により浮き沈みがあるが、投資信託は優秀なファンドマネージャがこれをコントロールし、日々、落ち込む銘柄は事前に売り、これから上がる銘柄を買う、という作業を(実際はもっと複雑な事を)してくれている。
もちろんファンドマネージャにも優劣があるし、突然の出来事は誰も予測できないから、直近で言えばコロナ禍が始まった2020年の3月にはどのファンドも下落しているが、長期で見れば上がってゆくのだ。
これは魔法のタイムカプセルに定期的にお金を入れておくと増えてゆくようなもので、現金で持っているだけだと世のインフレ分その現金の価値は減っていくが、このカプセルに入れると増えていく、というわけだ。
毎月1万円だけでもやったほうがいいが、これがうまくいったとして10年後倍になっていたとしても240万円だ。もちろんこれでも大きなお金だが、長い人生を考えた時に240万円というお金で何が出来るだろうか?
せいぜい家のリフォーム、ファミリーカーの購入程度。生活費にしたら半年から10ヶ月くらいか、めちゃくちゃ節約すれば2年近くは普通に生活できるかも。
では、毎月10万円にしたらどうか、同じく10年後倍なら2千4百万円になる。どうだ、これなら一気に「老後2千万円問題」が解決できる!
もちろん倍は極端としても、良いファンドなら1千5百万くらいにはなるのではないだろうか?
でも「もし第三次世界大戦がおきたら?」とか「もし世界経済に大打撃があって世界中が貧困になったら?」とか「隕石が落ちてきて世界の半分が滅亡してしまったら」なんて事を心配する人がいるけど、そうなったらみんな貧困になるし、そもそもその時に自分が死んじゃうかもしれん。そんな事があってもうまく日本だけ生き残っていればその後の経済回復に乗って自分の資産も戻っていくよ。大丈夫。多分。しらんけど。
さて、こんな記事を読んでもほとんどの人には「そんな事もうやってるよ」と言われるかもしれない。だからこそ、もしこの記事の内容が新鮮に感じられる人はすぐにでも始めたほうがいい。
・少しでも早く始める
・正しく始める
・投資を止めない
私と同年代の方なら、今からでも地道にやってゆけば、公的年金がもらえるようになる頃にはいい結果が見えてくるはずだ。
今のところまだ過去に戻るタイムマシンは開発されていない。10年後でも20年後でもその実用化は無理だろう。
100年後だと可能性はあるのか?
でもその時にはもうボクら、この世にいないよな。
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私のもう一つのブログ「50歳からの単独行」も、是非御覧ください。
50歳から再度山に登り始めたお話を小説風に書いています。
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