定年退職を期に投資を始めようとしている方は多いと思う。
個人投資家の増加は昨年2020年で+20%とも言われている。私もその中の一人だ。
しかしその一方で、どこから手を付けたら良いのかわからないまま月日が流れている、という方も多いのではないか?
実を言えば私もその一人だった。
投資を始めてこの一年、時間があれば関連書籍を読んだり、投資系YouTuberのコンテンツを見たりと、とても密に学習をしてきたが、実を言えば、55歳の時に早期退職に向けて作った計画では、翌年の56歳から投資活動をスタートするつもりだったのだ。しかし、実際にはそれより2年も後の2020年の2月のスタートとなってしまった。
理由は、ただただ先送りにしていた、というだけだった。あれは大きな機会損失だったと反省している。
だが一方で、個人投資家の9割が利益を出せていない、と言われているが、私はこの1年間で元資金の25%弱の益を出せている。コロナ禍から経済が立ち上がってきた良い条件下だったとは言え、悪い成績ではないだろう。
大切な事その1:少しでも早く始める
とにかく早く初めていればかなりのリスクを回避できる。例えば2020年の2月から始めた私の例で言えば、コロナ禍が始まった時であり、あれは初心者にとっては最悪の出発だった。
数ヶ月前にスタートしていれば、あの2月,3月は良い買いのタイミングだったわけだが、その時点で何の知識も経験がなかった私はうまく立ち回れなかった。残念でならない。
大切な事その2:正しく始める
では始めるためには何をしておくべきなのか?
もちろんこれには賛否があると思うが、私は自分の反省も踏まえると、投資をスタートする時には以下のようなポイントを押さえておくのが良いと思う。
- 出来る限り早く口座だけでも開設しておく
口座開設には手続きを始めてから数週間から1ヶ月程度必要
開設した後売買操作を知るのに多少の時間が必要
1万円程度の小さい額で実際に現物売買の練習をしてみる期間を持つと良い - 信用取引はやらない
余程の知識と自身がない限り、最初は信用取引やFXには手を付けない方がいいと思う。確かに”株で一攫千金”を実現するには現物売買だけでは到底無理ではあるが、負けた時の被害も途方もなく大きい。投資をギャンブルにしてはいけない。
私は信用口座もFXの口座も未だに開設していない。
- 投資の一般知識を得る
売買を始める前に最低限以下のような用語(順不同)とその意味だけでも学習しておく。
現物取引,ドルコスト平均法,信用取引,空売り,レバレッジ,追証,投資信託,ETF,米国株,NSDAQ,S&P500,NYダウ,TOPIX,マザーズ,FX,NISA,iDeCo,IPO,テクニカル,チャート,トレンドフォロー,金利と株価,ローソク足,日経平均株価,先物,塩漬け,パラボリック,MACD,ストキャスティクス,25日平均線,逆指値,板,歩み値,配当落日,VIX指数 etc - 無料で且つ有意義な情報源を見つける
ネットには嘘やインチキな情報が溢れているし、意地悪い事に有料の情報が必ずしも正しいわけではない。
掲示板に書き込まれている情報を鵜呑みにするのも危険だ。そもそも本当のプロや勝ち続けている人が掲示板に書き込みするはずがない。書き込んでいる時点でその彼はど素人だ。
銀行や証券会社の情報ですら必ずしも正しいとは限らない。
一方で、有益で且つタイムリーな情報を無料で提供してくれているブロガーさんやYouTuberさんも多い。始める前に頼りになりそうな情報源を知っておく。 - 余裕資金で始める
以前も書いたが、いわゆる”なけなしの金”を投資にブチ込んではいけない。
万が一全て消えてしまっても、当面の生活には影響しないお金だけを差し向ける。従って、私の場合で言えば”老後2,000万円問題対応”のための退職金や、持株会から移行した資金は公的年金の支給が始まる65歳までは手をつけないことにしている。
ローンや借金が残っている方は、先ずは返済を優先させよう。投資はその後ということになる。
但し、国際的な戦争や紛争、世界経済に影響するほどの天変地異が起きない限り長期的にみてほぼ上がっていく「投資信託」などの金融商品ははこの限りではないので、積極的に活用するといい。 - 自分の投資スタイルを決める
「投資スタイル」とは、デイトレード、スイングトレード、短期、長期、逆張り、順張り、インデックスなどの事。
例えば、生活パターンの関係で毎日9時から15時までPCに張り付いていられない人がデイトレードをやろうとしても良い結果が出るはずがない。
チャートを勉強するのが嫌だ、という人がスイングトレードをやっても失敗するだろう。
以上を本格的に売買を始める前に知っておき、やっておくといい。且つ始めてからも半年くらいは資金を50%は残しておくようにしておくべきだと思う。良い買いのチャンスを逃さないためだ。
また、退職後時間があるわけだから、証券会社の対面販売ではなく、手数料が安いネット証券を有効に活用するのがいいと思う。
大切な事その3:投資を止めない
投資を続けるためには、以下のようなことに注意するといい。注意事項はもっとあると思うので以下をキーワードにして、続けて学習して得て欲しい。
- 「明日の株価は誰にもわからない」という真理を信じること
特定のブロガーやYouTuber,ツイートを盲目的に信じて投資をしている方も多いと聞くがこれはとても危険だ。投資の結果は誰も責任をとってくれない。自分で責任を負うのだから戦略も自分自身で考えなければならない。 - 資金をショートさせず、常に現金を確保しておく
持ち株の値が下落して塩漬けになり、同時に手持ちの資金がなくなってしまったら自動的に退場という事になり、終わりだ。 - 毎日確認する
日々値動きや経済の動静を確認する事によりイメージが出来てくる。
但し、オールドメディアの情報に偏るのは危険だ。情報は広く得たい。必要なら英語圏のニュース(特に米国)も積極的に読む事だ。
私は地上波放送はゴールデンのバラエティ番組や映画しか観ない。 - 勝因を分析する
うまい具合に高値で利益確定できて、一つ目の勝利を得たらその勝因を分析する。
自分が天才だったからなのか?
それとも単なる時の運だったのか?などだ。
殆どの人は敗因を分析し、勝った後は何もやらず、それが次の敗因になる。 - 配当や優待に惑わされない
例えば配当が100円というような高い株でも、それを500株しか持っていなければその配当金はたったの5万円だ。銘柄にも寄るが値動きは配当額よりも大きい事が多い。
総資金が1千万円以下で分散投資するなら、配当や優待の事は考えずに値動きに専念した方がいいと思う。塩漬けにしてしまっては続けられなくなるのだから。
以上、投資を始めて1年の初心者が、今までの失敗に悔やんでいる事をまとめたような感じになったが、これからスタートする方の参考になれば幸いだ。
以下私が参考にした書籍をいくつか掲載しておく。
「ウォーレン・バフェット巨富を生み出す7つの法則」
長期投資のための基本が書かれているので、先ずは読んでおいて損はない。
「勝ち抜け!サバイバル投資術」
”利確”はいつすべきか?という命題に対して、ひとつの答えを出している。
「世紀の空売り 世界経済の破綻にかけた男たち」
あのリーマンショックの発生とその時期を的確の予測し莫大な額の空売りを仕掛けた者達がいた。彼らへの直接インタビューを基にしたドキュメント。
これを読めば、何故リーマンショックが起きたのか?も、そのロジックがよくわかる。
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私のもう一つのブログ「50歳からの単独行」も、是非御覧ください。
50歳から再度山に登り始めたお話を小説風に書いています。
こちらからどうぞ↓
https://tomo1961.hatenadiary.jp/