定年にしても早期にしても、退職する際には様々な手続きが発生する。
何十年も勤めていたらなおさら多いし、若い頃に知らずに加入していた団体共済や積立があってびっくりする事もあるだろう。
手続きについては、総務部がしっかりしている企業は退職者向けの冊子が用意されていたりするので、それに従っていけば落ちなく進める事ができるだろう。
そういうものがない場合は、事前に自分で社規則を確認し、請求できるものはきちんと請求しなくてはいけない。
1.勤務管理等の精算、最終月の給与
・最終月の残業、欠勤について半月ほど前に総務に届けるように求められる。
私の場合は最終週の有給休暇取得などは「予測で申告して下さい」と言われた。
出張も同様だ。いずれにしてもサービスになってしまわぬようきちんと申請しておく。
・社会保険料や住民税、地方税が一括徴収される。
従って、最終月の給与はかなり減額となる。私の場合は半額以下だった。
要注意だ。
2.退職金等お金について
・退職金
企業によって異なると思うが、一時金で受け取る場合と年金型式を選択できるので、よく考えて決めるといい。
一括で受け取って銀行預金にしておくのであれば、それはもったいないから企業年金を選択したほうがいい。
私は自分で運用したかったので一時金で受け取り、5つの投資信託に分散投資しているが、どちらが有利だったかはまだわからないし、そもそもどのくらい生きるのかがわからなければ結論は出ない。
・特別退職金
早期退職の場合受け取れる事があるので、会社の制度を事前に調べておく。
私の場合は、1年以上2年以以下に該当し「12ヶ月分の基本給」だった。
・賞与
賞与は成果を生み出した次の支給日に反映されるものなので、企業によっては退職後次の支給日に賞与を受け取る事が出来るようになっている場合がある。これは事前に社規定を把握しておく。
私の会社は、以前は”賞与支給日に在籍している事”が条件だったが、近年緩和されていて、成果の対象期間に在籍していれば支給されるようになった。
2019年10月から2020年の3月の間の半年の成果が、賞与として退職後の2020年の7月に支給されたというわけだ。
これはデカく、ありがたかった。
・持株会
現金で受け取るか株式のまま受け取るか選択できる。
私の場合は2020年の3月、コロナ禍の影響で株価が暴落していたので、株式のまま受け取る以外選択肢は無かった。結果その後上がり続けているので良かったが。
退職後1年間はインサイダー規制の「内部者」のままなので自由に売買はできない。どうしても売買したい場合には、会社が規定したルールに従わなければならないので要注意だ。
・団体iDeCoなど
私は始めたのが遅かったので百万ちょいだけだったが、今後のことを考えると大きな額だ。
iDeCoは60歳以前の途中解約ができないので、団体から個人への移行手続きを行わなければならない。
最初自分で手続を始めてみたが、あまりにも難解で断念した。退職後に銀行経由で投資信託を買い付けたので、その手続と同時にiDeCoの移行手続きも銀行にやってもらった。
3.健康保険
退職後別の会社に務めることがない場合は、国民健康保険に切替え手続きを行うことになるが、その保険料は前年の収入を基礎に算出されるため、退職後すぐに切り替えてしまうと保険料が高額になってしまう。
企業の健康保険は「任意継続」という位置付けで2年間はそのまま加入し続けることが出来るので、私はこの任意継続を選択した。
結局、退職初年は特別退職金や賞与など所得が発生してしまうので、所得が無くなる2年目を基礎に国民保険の保険料を算定してもらうのが良いから、任意継続できる2年間は会社の保険に入っておき、3年目に国民健康保険に切換える予定だ。
4.証明書
退職証明書、離職票や健康保険資格喪失証明書(国民健康保険に切換える場合必要)など、退職後の申請に必要な証明書を出してもらうよう総務部に申請しておく。
雇用保険の適用申請時には「離職票」が必要になる。
5.その他
住宅貸付金,財形貯蓄,団体積立,団体共済など借金の残金や積立てがあれば早めに把握して退職日に間に合うように、忘れずに手続きを行う。
私は入社時に加入してすっかり忘れていた団体積立があり、そこそこ大きな額が払い戻された。これもデカくありがたかった。
労働組合に加入していれば一斉積立金が戻ってくるので、これも組合事務所に問い合わせる(組合によって「闘争資金」,「ストライキ生活資金」など名称が異なる)。ネットで検索してみると、組織によっては申請しなければ返金されないとか、申請しても返金を渋られる、という事例もあるようだ。
6.会社からの貸与品
会社からの貸与品をまとめて最終日に返却できるようにしておく。
私の場合は退職が3月末だったので、作業着の夏服がしまい込まれていて出すのに面倒だった。前日になって慌てないように準備しておくといい。
ロッカーに置きっぱなしの私物の回収や清掃は、最終日を待たずに事前に済ませておくのが良い(最終日は何かと忙しいので)。
いずれにしても、お金に関しては黙っていては戻ってくるものも戻らない事があるので、退職の準備段階で漏れなく自分で調べておき、積極的に申請をするべきだ。
37年の会社員生活だったが、会社には世話になったと同時に、いろいろと不満もあったわけだが、退職に関わる手続きや支援/援助/アドバイスはとても手厚く、こんな良い会社に長年勤めさせてもらい、ありがたかったな、と本当に感慨深いものがあった。
次回は退職後に行う手続きについて書きたいと思う。
=====
今日の一曲
「Let it Be」The Beatles
*本ブログに掲載している広告とリンクを除く全ての写真はtomo1961又はその家族が撮影したものです。
-----
私のもう一つのブログ「50歳からの単独行」も、是非御覧ください。
50歳から再度山に登り始めたお話を小説風に書いています。
こちらからどうぞ↓
https://tomo1961.hatenadiary.jp/