「暗黙知」と「形式知」という言葉、概念があるのをご存知だろうか?
これは、会社員として仕事をする上において、大切な事であり、知っているかどうかで大きな差が出る。
また、目の前の事象に対して、いちいちイライラするのか、それとも達観して落ち着いて対処できるかどうか、の違いも出てくるだろう。
暗黙知
例のごとく、詳細な解説は私がするより、検索して専門の解説を読んで頂くのが良いと思う:暗黙知 - Wikipedia
要は、簡単に説明できないが、確かに理解して使っている知識であり、その知識が実際に存在する場合において、それを「暗黙知」と言う。
形式知
文章,図表,数式,手順などによって説明・表現できる知識を指し、前提となる知識や経験があれば、誰にでも理解出来る”形式”に変換可能な知識を「形式知」と言う。
例えば、以前書いた「出来るヤツ」のような人で、且つ長年積み重ねの経験を持っていて、そのうえで”彼しか出来ない仕事”、なんて思われているような場合でも、その全てが「暗黙知」とは限らないので、要注意だ。
本当にそれが「暗黙知」なのであれば、正直言ってその分野、仕事にはズカズカと入り込んで行かないほうがいいだろう。
しかし、本当にそれは「暗黙知」だろうか?という目でしっかり観察するべきだ。
殆どの場合「形式知」として何らかの手順に変換可能であり、本当の「暗黙知」なんてめったに存在しない。
但し、その彼や作業を取り巻く周りの人間が、皆「暗黙知」だとしてクローズしておくことは可能だ。実際にはこのケースが多いのだろう。
要は、本当はそれは「暗黙知」ではないのに、当人と周りがそうしている、という事になる。
その場合、その”暗黙知”を「形式知」化する事によって、さらなる品質の向上や、大きな効率化、人員の削減などが可能となる。
例えば、以下のニュースはまだ記憶に新しいのではないか。
これは極端な例だが、実際に皆さんの身の回りを見渡してみていただきたいのだが、”彼でないとできない”とか”彼じゃないとわからない”、だから任せっぱなしにしている、という事はないだろうか?
要は、意識的だったり、無意識にブラックボックス化してしまっているのだ。
上のニュースの例では、優秀な勧誘員で、顧客が「彼女には頭が上がらない」という状況になっていると言うが、企業としてそれを「あんたの会社には頭が上がらない」という関係に置き換える工夫と努力、そしてそういう仕組みを持つこと大切だ。
そのためには、その彼/彼女が具体的に何をやっているのか?やってきたのか?等を全てオープンにさせて、且つ仕事を複数人体制にした上で上長が結果だけでなくプロセスを、把握するのではなく学習する、と言う姿勢が必要だ。
こういう話をすると大抵のクソな上司は、
「Aさん、それ『暗黙知』だからわかるようにしといて」
という指示で解決しようとする。そんな簡単な事じゃない。
あ、この場合はクソ上司ではなくアホ上司だな。
経験やノウハウを持っている人は、それなりに評価してくれなければ、自分の知識はオープンにすることはない。
彼らからすれば「知らないよ」と言っていればいいのだから。
わかりやすい例は有名店のレトルトカレーとか、パスタソースだと思う。
その有名店が自ら製造して納品しているのであれば、その製造ノウハウは「暗黙知」のままだが、レシピをオープンにして大手企業の工場で生産しているのなら、ノウハウをレシピ化して大量生産しているのだから、有名店の「暗黙知」を「形式知」化出来ているはず、という事になる。
だから、ノウハウを持つ彼ら自信が、それをオープンにしても良いと思えるような、施策や体制、評価、契約が必要になる。
=====
今日の一曲
「絕不能失去你(Can’t Lose You)」F4
*本ブログに掲載している広告とリンクを除く全ての写真はtomo1961又はその家族が撮影したものです。
-----
私のもう一つのブログ「50歳からの単独行」も、是非御覧ください。
50歳から再度山に登り始めたお話を小説風に書いています。
こちらからどうぞ↓
https://tomo1961.hatenadiary.jp/