皆、あいつは出来るヤツだ、というような事をよく言う。
だけど大抵はそれっきりだ、言いっぱなしにしておくだろう。
もし、あいつは出来るヤツだと思ったり、人が言っているのを聞いたら、その彼(ヤツ)の事をもっとよく観察してみるべきだ。
その彼はどうできるヤツなのか?
知識が豊富なのか?
経験が豊富なのか?
練度/熟度が高いのか?
大抵は知識が豊富だけでは”出来るヤツ”とは言われないだろう。
一方経験が豊富だったり、練度/熟度が高かったりすると、それだけで”出来るヤツ”に見えてしまう事がある。
さてでは経験豊富とはどういう状態なのか?
経験豊富で出来るヤツに見えるという事は、その経験を生かして状況を鑑みた的を得た予測が出来たり、臨機応変に対処できたりする事などを見て”出来るヤツ”と言われているのだろう。
練度/熟度が高い場合は、その彼は一生懸命繰り返し練習をして身につけてきたのだろう。
だいぶ以前の話だが、堀江貴文さんがSNSで「寿司職人ならYouTube観て練習すればなれる」というような発言をして炎上したことがあったが、これは概ね間違ってはいないのだ。
寿司職人に限らず、職人技というものは練度/熟度が多くを占めているからだ。
だいたい正しい方法を学んだ後、夢中で練習を繰り返せば練度/熟度を上げてゆくことは可能だ。
但し、トップなにがしを争うならば、練度/熟度だけでは足りず、知識と経験の違いで差がつく事になる。
目指す人をよく観察して、そのレベルが経験と練度/熟度だけで達成している様子なのであれば、誰でもそのレベルを得られる可能性がある。
一定以上の期間一生懸命倣い繰り返し訓練すればいいのだ。
例えば、牛丼の肉盛り、のような技能だ。
但し、それ以上のレベル=Competitive=競争力を有するレベルを目指すならば、関係する知識を、必要以上に詰め込んでおくべきだ。
私は「技術者を訓練する方が、技能者を訓練するよりも、高いレベルの職人を早く育成できる」と、
現役時代に言っていたのだが、いつも反発を買ってしまった。まぁ当時は高技能者=高齢、という旧態依然の文化だった時代だから、私の周りにはこういう事が理解できる頭を持った人はいなかった。
しかし、いまだにこれは間違っていないと思っているし、堀江貴文さんもそう言ってるじゃん。
但し実際に取り組む時には、時間軸の要素を忘れてはいけない。
知識:努力と集中によっては比較的短時間で得ることが出来る
経験:集中できる環境さえあれば短縮できるが、比較的長期間を要する。
練度/熟度:環境を整えて集中すればれば短縮できる。
こう書くと、経験のある技能者に知識を得てもらった方がいいのではないかという理屈が通りそうだ。
しかし、実際に育成してみると、一定レベルの作業能力を得てしまった経験のある人=ある程度年齢が行っている人は、いわゆる座学が不得意になっていて、なかなか普通はどうにもならない(屁理屈もうまくなっているから本当に手こずる)。
だから若い時に集中して知識を詰め込んでおく、これが勝負だ。
そして、最終的にはバランスの勝負になる事を忘れてはいけない。
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今日の一曲
「Spotlight」Madonna
*本ブログに掲載している広告とリンクを除く全ての写真はtomo1961又はその家族が撮影したものです。
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50歳から再度山に登り始めたお話を小説風に書いています。
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