4月8日のツイッタートレンドに「塩化ナトリウム」というのが上がってきていた。一時トップになってたようだ。
辿ってみると「(健康のために)塩化ナトリウムを控えて良質な天然の塩を摂りましょう」というツイートが元になっていた事がわかった。
結構定期的に出てくるこういうのは”無知”を相手にした詐欺的言説というヤツだ。
ツイート元が意図して騙そうとしている場合と、元の人間自体が間違った言説を信じている場合がある。
今回はほとんどの人が引っかからずに、さしずめ「”塩化ナトリウム”大喜利」の様相を呈していたので、まぁ健全だったのではないかとは思う。
さて、では皆さんは以下の「米食は危険だ!」という言説を信じるだろうか?
以下の説明は全て事実だ。
・暴力犯罪の約90%以上は米を食べた後24時間以内に発生している。自動車事故も同様である。
・米を日常食べている子ども達の約半数が試験で平均点以下である
・米を食べている日本人の99.93%が100年以内に死亡している
・米食がほぼ全国に広がった江戸時代には平均寿命が44歳以下だった
事実は「米食は危険ではない」だ。
上記個々の説明への解説は書くまでもないのでこのまま次に行く。
まだ不安の人はゆっくりとご飯を食べながら考えてみよう。
皆さんは、DHMO(dihydrogen monoxide):日本名:一酸化二水素という物質があるのをご存知だろうか?
さて、以下のようなこの物質DHMOに関する説明について、どのように理解されるだろう?
こちらも、これら説明は全て事実だ。
一酸化二水素水(DHMO)は以下のような特性がある。
・水酸と呼ばれ、酸性雨の主成分である。
・温室効果を引き起こす。
・各種のジャンクフードや、その他の食品に添加されている。
・末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。
・重篤なやけどの原因となりうる。
・地形の侵食を引き起こす。
・多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。
・電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させるなど、機械装置の不具合を誘発させる。
・原子力発電所で用いられている。
・防火剤として用いられる。
・各種の残酷な動物実験に用いられる。
・防虫剤の散布に用いられる。洗浄した後も産物はDHMOによる汚染状態のままである。
・他、工業用の溶媒、冷媒等として用いられているにも関わらず、日本では行政によって飲用として推奨している。
もうお気づきのように、もちろんDHMOは全く危険ではないし、では一体DHMOとは何なのかはわざわざここに書くまでもないだろう。
お米と同様まだ不安な人は、ゆっくり食事でもしながら考えてくれ。
これらは、その事柄についての説明が全て正しいにも関わらず、導き出している結論だけが間違っている、という言説だ。
どちらも世界的にも有名なヤツなのだが、言いたいのは、普段新聞やニュースなどで流布されている記事にも、似たように「すべての説明は正しく且つ正論だが、その結論は正しくない」という記事がある。というか多いのだ。
要は、全ての論証は正しいが結論のみ正しくない、という説明がありうる。という事。
こういった文章を書く事が、技術的に可能だという事を知っておいたほうがいい。
普通人間は、その論議の背景にある理由や事実が全て正しければ、その説明で導き出される結論も正しい、と思ってしまうが、そうとは限らないという事。
だからみんな、騙されないように気をつけてくれ。
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今日の一曲
「ハジメテノツリザオ」カノエラナ
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