tomo1961’s blog

-55を過ぎてギターを始めた男が早期退職した後の顛末'ing-

あなたは「苦役(くえき)」を強制されていないか? [No.2021-083]


ニュースやネット上にある様々な記事を見ていると、「あれれ?その会社のやり方って”苦役の強要”じゃね?!」と思うような事例を目にする事がある。

 

もちろん書き手がバイアスを掛けている記事も多いだろうから、全てが本当かどうかはわからないのだが。

 

いずれにしても、企業の経営層はもちろん、働いている側としても、こういった法律を知り、問題を起こさない、泣き寝入りしないようにしておくべきだ。

 

法律を守るという事なのだから、これは従業員のためだけでなく、企業のためでもある。万が一労働基準監督署の査察に入られてしまうと、その後数年から十年間ほどにわたって毎月毎月報告させられる事になる。

f:id:tomo1961:20210312103540j:plain

 

 

 

1.「苦役の強制」とは?

苦役に関しては「日本国憲法」に以下のようにある。

第十八条

何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

その労働を望まない労働者を強制的に働かせるのが「苦役の強制」という事になる。

 

余程のブラック企業でない限り、ここまでひどい事は行われていないと信じたいが、希望退職を申し出ても受け付けてくれない、というようなひっかかりそうなケースは多いようだ。

 

2.残業

覚えておかなければならないのは、残業は日本の法律では認められていない、という事だ。

 

この大原則を知らずに従業員に残業を指示したり、暗に強制している場合は法律違反だし、従業員の側も言われるままに従ってはいけない。

 

「従業員が勝手に仕事をしていた」という言い訳も、過去の判例を見ても通用しない事がわかっている。

 

 

この原則については、厚生労働省のホームページにわかりやすく書かれている。

法定の労働時間、休憩、休日 使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません
 
 
但し企業側にも”逃げ道”が用意されている。
時間外労働協定(36協定) 労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表する者との労使協定において、時間外・休日労働について定め、行政官庁に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働、法定の休日における休日労働が認められます。この労使協定を「時間外労働協定」といいます。なお、時間外労働時間には限度が設けられています。
要は、労働者の代表と企業の間で「36協定(さぶろくきょうてい)」と締結した上で、それを行政に届けなければならないから、もしあなたの会社が36協定を結んでいないにもかかわらず従業員に残業をさせているなら、それは労働基準法違反
 
さらに、36協定を結んでいても、以下のように限度が設けられている。上限も別途設けられている。
使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。 使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

参考:労働時間・休日 |厚生労働省

 

 

3.有給

有給休暇制度がない企業はさすがに無いだろうが、法律に従って正しく運用できていない会社はあるようだ。

 

法律では、

雇い入れの日から6ヶ月間継続勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して10日、以後継続勤務年数が1年増すごとに1日(2年6箇月を超える継続勤務1年については2日)ずつ加算した日数(最高20日)の有給休暇を与えなければならない。 

 

その上で「労働基準法 第39条第7項」で、有給休暇を5日/年取得させなければいけないと定められている。

使用者は、有給休暇の日数のうち5日については、基準日から1年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならない。

 

そして、この「労働者ごとにその時季を定めることにより」というのは、従業員一人ひとり毎に計画した上で与えなさい、という意味だから、全員一斉取得というやり方は認められないという解釈が主流のようだ(グレーゾーンではあるようだが)。

 

どうだろうか?

 

こんな基本的な事は知らない人の方がかなりの少数派だとは思うが、企業側の立場で言えば、完璧にやっていなければ万にひとつの事案が発生しないとも限らない。

 

また、もしあなたが会社から法律を逸脱したやり方で、残業などを強制されているとしたら、すぐにでも誰かに相談すべきだ。

 

誰に相談するか?

 

状況にもよるが、信頼できる人がいる場合は、先ずは総務部か労働組合になる。健全な会社ならこれで解決に動く事になるだろう。

 

しかし社内の誰も信頼できない、会社ぐるみでやっている、という場合は、職種に関係するユニオン組織か、どうにもダメなら直接労働基準監督署にタレこみするしかないな。

 

タレこみする場合は必ず自分の労働時間を記録したものや、強制されているなら動画などもいいだろう。そういった証拠を準備しておこう。かれらが”苦情”を受付ける事はないので、違法であるという証拠とともに、文字通り”タレ込む”のだ。

 

ユニオン組織に相談する場合には、その組織が違法な活動をしていないか事前に確認しておいたほうがいい。共産党や過激な市民グループとのつながりがあるなら避けたほうがいい。

 

いずれにしても、企業と労働者の健全な関係を維持しない限りどちらにも未来はない。




=====
今日の一曲

But, Singing here's to never growing up!! HeHe!!

「Here's to Never Growing Up」Avril Lavigne

Here's to Never Growing Up

Here's to Never Growing Up

  • provided courtesy of iTunes
AVRIL LAVIGNE

AVRIL LAVIGNE

  • アーティスト:LAVIGNE, AVRIL
  • 発売日: 2013/11/01
  • メディア: CD
 

*本ブログに掲載している広告とリンクを除く全ての写真はtomo1961又はその家族が撮影したものです。

-----
私のもう一つのブログ「50歳からの単独行」も、是非御覧ください。
50歳から再度山に登り始めたお話を小説風に書いています。
こちらからどうぞ↓

https://tomo1961.hatenadiary.jp/