再雇用制度について、再度考えてみたくなった。
前回の記事では、一つの企業で管理者や経営層として認められ、それなりの役職についていたのなら、そんな安い給与で再雇用制度で働くのではなく、その力を認めてくれる企業で働くか、その優秀な力を発揮して自分で事を起こすべきだ、と書いた。
今回は別の切り口で、再雇用者を会社の側はどう見ているのか?と言う視点で私なりの整理をしてみた。
経営層から見て
経営層としては「高年齢者雇用安定法」があるので、外面(そとづら)としては、
再雇用者はウェルカムですよ!
なんて笑顔で言うしかない。
退職者本人に対しても「我社には、まだあなたの力が必要なんです!」
と言うしかない。
でもそれは本心だろうか?
否!違うに決まっている。
経済的、経営的に考えても、同じ給与で若い人を採用して、イチから教育したほうが良いに決まっている。
だから、おもてづらで言っていることをそのまま信じて再雇用を受けるなんて、あんたはとびきりのお人好しだ。
定年退職日の挨拶で、
「大変お世話になりました。会社から今後も私の力が必要だと言われまして、明日からも一緒に仕事をさせていただきますので、よろしくお願いします」
なんて言っている人が、そこそこ多かったが、そんなセリフ信用して迷惑な人だなぁ、と皆思っているんだ。
知らないのは本人だけだ。
上司から見て
上司としても、あなたによほどのニッチな能力があるのではないのなら、概ね上述の経営者と同じだ。
仕事の上で「前向きに、これまでの経験を生かして...」なんていう行動をされたら迷惑この上ない。
毎日顔を合わせる度に、あなたにいい顔をしなくちゃならない。苦痛だ地獄だ逃げたい、と思っている。
さらに、メンバーからは「再雇用のあのおじさんを黙らせてくれ!」なんて裏で突き上げられる、というが現実。
同僚から見て
「教えてあげる」なんて言ってきて、わかりきっている事を延々と話し始める。こっちは時間がないんだよ!迷惑だ!と思っているだけだ。
実際、技術屋で再雇用者とペアを組んでいた人がいたが、
「僕の仕事は実質終業時からスタートですよ。毎日残業ですよ。昼間は年寄りのお子守が大変で...」
というのが彼の口癖だった。
だからできれば関わりたくない。というのが本音だ。
そして、偉そうな長い講釈を振り回すのに、ご本人は毎日定時でご帰宅でお気楽ですね!だ。
ましてや同じ職場に元課長とか元部長なんて人がいたら大災害だ。逃げたい、が本音。
まだ現実を目の当たりにしていない人には、かなり大げさに感じるのかも知れないが、これは相当な確率で当たっている。
再雇用を決断する前に、一度Googleで「再雇用 現実」で検索してみるといい。愕然とするだろう。
「いやいや、俺の周りはウエルカムだよ」だって?
だからそれ、妄想ですからね。
ところで、私がまだ退職する前のことだが、部長さんにまでなっていた人が再雇用で勤めていた。
彼の話を聞いていると、はっきりとは言わないのだが、総合すると要は「既得権を全て行使しないと損」というような考えになっているようだった。
再雇用制度は正社員の既得権だから使わなくては損だという感じなのだ。
だとすると早期退職制度を何故使わなかったのだ?という矛盾を感じる。
いずれにしても、なにか変なものに取り憑かれていて、社規則や法律を隅から隅まで読み込んであって色々なことを知っているようではあったが、私には、結局はただ漫然と再雇用者として減額された給与に甘んじながら、毎日を繰り返しているようにしか見えなかったし、実際そうだった。
いずれにしてもだ、
もちろん完全作業系の仕事に就き、且つ就業時間中は自分を殺して、間違っても「教えてやる」なんて思いもしない。求められれば残業、休出も出来ますよ。半額でも給与をもらえるなら幸せ。
そういう風に、自分のたった一つの人生を割り切って、退職後も行きて行ける人は、再雇用で働き続ければいいと思う。
私はそんなのまっぴらごめんだけどね。
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