tomo1961’s blog

-55を過ぎてギターを始めた男が早期退職した後の顛末'ing-

記憶力と演説だけの人 [No.2021-140]

 

会社員として何十年も働いているといろいろな人に出会うが、一見のイメージと中身に大きな乖離のある人が少なからずいるのではないか?

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Sさんは、少し異常性があるのではないかと思うほどの乖離、違いが大きな人だった。

 

そして会社はそれを見破れずにズルズルと管理者にしておき、彼は定年後更に関連子会社に勤めて「改善指導」と称して1年を過ごしたそうだ。

 

このSさんは、過去の出来事についての記憶力と演説だけが上手い人だった。

 

私は入社4年目くらいから仕事上の繋がりがあり、人柄は良い方だったし、よく話しかけてくれたのでずっと話しやすかったが、3年程でその”化けの皮の下”を知り、幻滅したものだ。

 

記憶力と演説だけだから、仕事をしてゆくうえで「策」が全くない人だった。

 

問題にぶつかっても、方針策定検討のときでも「がんばれ」、「なにか手があるはずだろう」、「皆なら出来るはずだ」、「良い手がわかるまで考えてみろ」などなどと関係者を鼓舞するだけで、自分では何も策が打てない。アイディアもなにもない。

 

当時一緒に仕事をした事のある人がここまで読んだら「そうそう、それそれ!」と言って笑い出すはずだ。

 

Sさんは、過去の出来事を持ち出して、いわゆるべき論を展開し、堂々と演説するのがうまい。

 

だから、トップは惚れ惚れとしてしまい、Sさんを抜擢して仕事を任せてしまうし、昇格も割と順調にしていったと思う。

 

ところが、新聞は読まない、勉強はしない、新しい事、技術などを学ばないので、やる事なす事がちぐはぐになる。簡単に言えば中身空っぽの人だ。

 

しかし、彼のうまいところは、その表面(おもてづら)の良さで、周りの者が意外とうまく立ち回り、組織としては結果を出してしまう、というところなのだ。

 

組織として結果を出す管理者は優秀な管理者だ。なぜなら管理者は結果責任だからだ。

 

ところが、その人柄に惹かれていた人達も、次第にその”化けの皮の下”知る事となり、そうなるとついて行かなくなってしまう。

 

持ち場でうまくいかなくなると転属を申し出て、新しい職場で同じ様に振る舞うの繰り返しで定年まで持ちこたえたのだ。

 

しかし、定年後に勤めた関連子会社ではたちまち化けの皮が剥がれたそうだ。

 

数カ月後、その関連子会社から「Sさんは改善指導と言って来ているが何も出来ない人だ。親会社では何をしてきたのか?」という話が聞こえてきた。

 

子会社の人達は彼の過去や役職などの先入観が何もないから、指導やアイディア出しをしてくれると思っていたようだ。しかしSさんには元々そんなものは何もない。

 

1年契約だったそうだが、当然再契約とはならなかった。

 

その関連会社の顔見知りの技術屋に数年後行き会ったが「あの1年は長かった。ほとんどお子守だった」と言っていた。

 

こういう類の社員は立ち回りはうまいし、上の評判は良いので、公にはなかなかその化けの皮を剥がすことが出来ないまま、会社や組織を食い物にして生きている。

 

私はこういう人は「自分の価値を偽って会社を騙し、報酬額を不当に上げている」ので、業務上横領罪などで告発できないものなのか?と思ったりもしたくらいだ。

 

とにかく迷惑なおじさんだったが、私個人的には、Sさんを反面教師として管理者とはなにか?深く考えるきっかけの一つにはなっていたのかもしれない。

 

人には様々な役割がある、という事か?

 

...いや、違うな、やっぱりダメはだめだ。

 

危ない!また騙されるところだったゼ

 


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今日の一曲

 No ExpectationsThe Rolling Stones

「愛を知るまでは」あいみょん

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