”不平不満”を煽られても無視するほうが幸せ [No.2022-010]

ちょっと笑ってしまうようなこんな記事があったので紹介と、それから私なりの評価を書いてみたい。

www.huffingtonpost.jp

書かれているのは要するに、アメリカの歌手テイラー・スウィフトさんが頻繁にプライベートジェットを使っていて環境に悪い。なんて話。

この記事を見て私は直感的に笑えた。

何故かといえば、如何にテイラー・スウィフトさんが頻繁にプライベートジェットを使ったとしても、人類が世界中に飛ばしているジェット旅客機の総排出量と比べたら、それは微々たるもので誤差の範囲だろうと思ったからだ。

で、実際に計算してみた。

先ず、世界のジェット旅客機のCo2総排出量は以下のサイトから、

wired.jp

”世界全体で見ると、2019年に航空機が吐き出したCO2の量は10億トンを超えていた”

だそうなので10億トンだ。

で上の記事からテイラー・スウィフトさん所有のプライベートジェットが排出したCo2の量は、

”スウィフトが所有する飛行機は、2022年1月以降、170回以上のフライトを行い、CO2排出の総量は8293トンに及んだと報告”

というから、雑駁だけど約半年で8,293トンだったと仮定して、世界の総排出量と比較してみる。

(8,293t x 2) ÷ 10億t x 100 ＝ 0.00166 %

やっぱりごく僅か。

このような場合は、航空機(商用/個人)，船舶，自動車などカテゴリーを分けてそれぞれ数値を明らかにしてパレート図に落として、寄与度が高い左側の項目から対策するのが問題解決の基本手順だ。

で、全体への寄与度が低い右側の”ロングテール”の方は場合によっては放っておいてもいい。影響が少ないからだ。

だから、この記事に出ている調査を行った”Yard”という組織は、環境問題を解決する気は毛頭ないのだ、という事がよく分かる。

但し、実際この記事はバズったようなのだが、それは単に、不平不満を煽ると記事がバズって収益が上がるという事。

さらに言えば”Yard”という組織も、HUFFPOSTも我々日本の一般人からすれば大変な資産を持っていて、従業員の給与も高いのに、一般庶民の”不平不満”を煽ることによって収益を上げる、というおかしな構造をしたビジネスモデルになっているのだけれど、記事を書いている若田悠希さんご本人でさえ、それはわかっていないのだと思う。

だってさ、無意味なこんな記事を大量に垂れ流すだけの人間がごマンと活動していればそのCo2排出量は、テイラー・スウィフトさんが少し出すものより、よほど多量だと思う。

言い換えれば、世界のいわゆる”文屋”を１０分の一に減らしても、減らされたその１０分の９の人たちが生産性の高い仕事に移れば、発生Co2対比の経済効果はかなり良い方向に動くのにねって話。

で、かれらは．．．”いや、私達の一人あたりの排出量は．．．”とごまかす。

だって人間”一人あたりの排出量”って一人ひとりに公平だけど、地球からみたらそんなの関係なく全体を減らしてくれればいいんだから、おかしな判断基準だよね？

どっちが正義でどっちがゲスイのかさっぱりわからんのだよ、コーユーのは。

こうやって整えてみると”Mean”の歌詞が刺さるねぇ

ameblo.jp

こういうのは、”不平不満”を煽っているだけじゃなくて、世の中は”結果平等”であるべき、という間違った認識に人を落としてゆくきっかけになりかねないから、とても不健全だと思う。

テイラー・スウィフトさんみたいに頑張って働いて大金持ちになった人と、何もやらずにぽかんとしていて貧乏している人が、”結果平等”だから金持ちはゲスです。なんて言われたら大金持ちはブチ切れるよね。

テイラー・スウィフトさんのCDは私も何枚も買っているが、そうやって苦労されて稼いで一流のセレブになったからには、お持ちのプライベートジェットをどんどん稼働させて活動していただき、出来る限りその資産を市場に落としてきてくれなければ、経済という観点で見ても健全じゃあないよね？

環境問題はもっと大きい全体に効く事に対して真剣に取り組んで欲しい。

とにかくこういう記事には注意していていただき、報道を見ているうちにそこに書かれた他人の意見が、さも自分の意見かのように錯覚し、あなた自信がその情報によって醸成されたあなたの一時の感情に流されてしまわぬよう、よく考えて生活していたほうがいいよ。