以前から何度も趣味について書いているのだが、そう言えばラジオも趣味の一つだということを忘れていた。
そこで、思いつきで申し訳ないのだが書いておきたい。
ラジオに夢中になったのは小学生の時。
父親がでかいオーディオシステムを持っていて、実質的に我々兄弟もその所有者の一人かのように自由に使っていた。
こんな感じのシステムだった。
父が持っていたレコードやオープンリールテープに録音されていた音楽は、ほとんどがクラッシックか演歌だったから、我々兄弟はこれでは主にラジオを聞いていた。
テレビを観ていると怒られたが、ラジオなら怒られなかった、というのもある。
小学校の高学年、確か5年生の夏休みに真空管でAMラジオを製作して、休み中の製作物として学校に持っていったのを覚えている。
なにかと出来が悪かったので家で聴くと感度がいまいちだったのだが、伊那市のAMアンテナが学校の近くだったせいで、クラスで電源を入れてみると、凄くクリアに受信できて、その一瞬だけはクラスのスターになったのだった。
中学生になってもラジオの興味は続き、当時流行り始めたBCLをやって”ベリカード集め”をしていたのだが、英語の勉強のためにと私に買い与えられていた小さなラジカセでは感度が悪く、アンテナ線を外に引っ張っても思った程ではなかった。
そもそも、その頃流行っていたBCLは、主に短波帯の各国の日本語放送を受信して、エアメールでラジオ局に受信レポートを送ると、数週間から数カ月後に受信証明として”ベリカード”が送られてくる、というものだったのに、私のラジカセはAM/FMしか受信できない。
そこで、両親が不在の時に自分名義のゆうちょの通帳を盗み出し、確か3,000円程を引き出して、当時市内で唯一電子部品の単品売りをしていた、水神町の「中村電機」に行って、おばちゃんに「この部品揃えて」と言って短波受信機の部品一式を手に入れてきた。
当時書店に行けばこういった電子工作の本はいくらでも売っていたので、既に小学生の頃にねだって買ってもらってあった本に掲載されていた回路を利用した。
そして。通帳は親にわからないように戻しておいたのは言うまでもない。
真空管短波ラジオを1週間位かけてなんとか完成させ、週に一度19時から始まるはずのラジオ・オーストラリアの周波数に合わせて待つ。
放送開始の時に流れるワライカワセミの鳴き声がデカデカと聞こえた時の嬉しかったこと!今でも鮮明に覚えている。
高校生になってアマチュア無線をはじめてからは、アンテナマニアみたいになり、毎日屋根に登ってアンテナをいじっていた。
21MHZ帯専用のHB9CVを製作し、その後これに導波器をつけて3エレメントにしたのだが、通常の3エレの寸法関係で導波器を設置してもうまく行かず、試行錯誤の結果導波器をずっと前側に設置すると良い事を発見した。
これも嬉しかったな。
で、今持っているラジオたちである。
一番使っているのは、中学生の時に自作短波ラジオを製作した私を見るに見かねて、突然父が買ってくれたSONYのICF-5900というモデルだ。スカイセンサーとも呼ばれている、私達の年代には超有名モデル。
デスクでなにかやる時には、このラジオでFM長野かNHK-FMを聞く事が多い。
ベッド脇に置いて使っているのは、”元”伊那市の防災ラジオ。今は防災放送の方式が変わってしまったので、このラジオではもう防災放送は受信ができないのだが、ラジオとして感度がいいので使い続けている。
夜中に目が覚めてしまってベッドの中でグズグズしている時に便利なのだ。
上の2台は外部アンテナに接続しているので容易に持ち運びができない。
そこでラジオ体操用に使っているのがこれ。パナソニック製のR-U20。なんと今は希少なAM専用機だ。
叔父の形見でもらったもので、もらった時には壊れていたのだが、電池の液漏れを清掃し、外れていた内部のアンテナ線を基板にはんだ付けしなおして復活させた。
これも感度が良く大きなスピーカーだから音がはっきりしているので手放せない。
FMを聴く時はスカイセンサー。AM放送はこれを、と使い分けている。
そして登山の時にもっていくのがこれ。下の写真の右が初代でアイワ製のCR-LA-60。そして今は左に写っているデジタルチューナーのSONYのSRF-M98を使っている。
真っ暗なテントの夜にはアナログチューニングだとかなり不便だったので買い替えた。
どちらも感度は良くないが、山に行くと電波の受かりが良いので問題ない。
今ではRadikoなどを使えばわざわざ電波を受信しなくてもラジオ番組を聞くことは可能だ。でもなんというか、とにかく「電波を受信したい」という願望を抑える事が難しい。
だからもしかしたら、私がラジオを聞くのは”放送を聞きたい”と言うよりも、”電波を受信したい”、という潜在的な願望があるからかもしれない。
*本ブログに掲載している広告とリンクを除く全ての写真はtomo1961又はその家族が撮影したものです。
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50歳から再度山に登り始めたお話を小説風に書いています。
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