以前、メディア沼に落ちて染まって”老害”老人に成り下がらぬように、という趣旨で以下の記事を書いた。
今日はこの記事に関連し、簡単にメディア沼の、その沼の岸辺の状況を整理しておきたい。
先ず知っておく必要があるのは、各メディアの報道姿勢というか根底にある彼らの”意見”だ。以下、その”意見”の傾向を左右で表現した上で、新聞社とテレビ局の関係を、複数の書籍やネット上で得られる情報を元にまとめたので、それを示した上でいくつかの事例を上げ、その後私の意見を書いてみる。
以下の羅列で”ー”で繋いでいるのは新聞社とテレビ局のつながりだ。
ー左傾ー
毎日ーTBSテレビ
朝日ーテレビ朝日
NHK
ーわずかな左傾が散見されるもののほぼ中立ー
日本経済新聞−テレビ東京
*フジテレビは産経と関係があるため右傾としたが、特定アジア国に対しては擁護の姿勢であるというところは左傾の意見につながる
*NHKは時として短期間右傾化する瞬間もあるるようだ
*NHKは地方の局によって極左反日的(福岡局等)
私達は、小中高で教育された通りに今の社会は出来ている、と思いこんでいる。従って報道は客観的で公正で正しいはずであり、記事には個人や企業の意見は入っていない、という前提でテレビを観て新聞を読んでいるわけだ。
しかし実際には、こように”意見グループ”というか”思想グループ”に分かれて、それぞれが言いたいことを報道しているだけだ。
本来報道は以下のように、3つの要素をそれぞれ分離したままで国民一人ひとりに情報として届けるのが仕事だ。
・取材した事実を客観的に記載し、得られた事はできる限りすべて報道する
(情報を取捨選択しない)
・通信社など系列機関から得た記事は、その旨明記して掲載する
(転載記事として掲載する)
・報道機関の考え方や思想に基づいた意見は、コラムなどで意見として掲載する
(記事の中に意見を書かない)
しかしよく観察してみれば、実際の現代の報道では、これら3つの要素を記事の中に混在させ、彼らの意見に合うようにストーリ化した上で制作されている、という事が誰にでも容易にわかる。
最近の例で言えば大きなところでは米国の大統領選挙報道だ。
日本では”トランプさんは悪者”という前提の報道が主流だった。例えばNHKは米国のABCテレビと提携しているらしく、記事や映像などのソースはABCのものだけを使っているようだった。
ABCは研究者の客観的な調査で、CBS,Bloomberg、USA Todayと並びかなり左側に偏っていることがわかっている。
テレビ東京はこの田舎では視聴できないが、テレビ東京の衛星チャンネル(BS7)を観ていると、特に朝日放送との違いは明らかだったし、BS7を見ている限りではトランプさんという人が”悪い人”だという印象にはならなかったと思う。
一方で先週末、現地時間の2月13日にトランプ弾劾裁判が決着し”無罪”という結果となり、ネットニュースでは14日の日曜日朝から掲載されていた。NHKでもBS1の定時ニュースでは放送されていたのだが、昼間の地上波テレビではどの局でも放送していなかった。
あれほどトランプを悪者にしていたNHKの「これでわかった!世界のいま」では、14日放送の番組では取り上げなかった。
嘘をつくと後々辻褄が合わなくなるのと同じように、もともと意見を入れず事実だけを報道していればよいが、一度強く”トランプは悪者”という報道をしてしまった後に”弾劾裁判で無罪”とい結果は、例え事実であっても放送しにくいのだろう。
ちなみに、「これでわかった!世界のいま」は、うちのヨメさんが「私が今の世界を知る為の唯一の番組」だそうで、毎週必ず観るようにしている。
昨年知事のリコール運動があったが。
中日新聞は知事擁護の立場で、リコール運動についてはほぼ全く報道しなかったが、年が明けて不正署名があったという事が判明すると、一転してそれを取り上げ一面記事として報じた。
リコール運動が起きている事は一切報じていなかったのに、その運動に問題があったと事は報じている。このように前後ちぐはぐな事をデスクご本人には”変だぞ”という感覚がないのだろうか?
ワクチン接種に関する報道もである。
上で左傾に分類されている3系列は、過去に子宮頸がんワクチンの全国接種に反対の意見で、当時の接種反対報道の激しさから、国も希望者への接種に切り替えている。
当時これを”報道の勝利”というような論点で放送したのだそうだ。
従って、現在報道姿勢は”ワクチンは副作用があり怖いものだ”という傾向だ。
一方で、テレビ東京を含む3社は”出来る限り摂取したほうが良い”という報道姿勢であり真逆になっていてひどくおかしな話だ。
どちらが正しいのか?は私には医学的な事はわからないので、どちらの意見が正しいのかはわからない。
でも、私は海外の駐在と出張経験があり、国と会社の指針に従って出国前に数種のワクチンを何回か接種していた。だから接種経験は多いほうだと思う。また毎年インフルエンザ・ワクチンの接種も欠かさずに受けている。
ワクチン接種の副作用は、私の場合はほぼ毎回だ、この経験からすれば左傾の3社が”怖い”と言っているような副作用は、今まで受けたワクチン接種では同じようにあった。
昨年のインフルエンザ・ワクチンの接種の後にも、翌日熱が出て半日寝込んだし、注射痕の周りは1週間程度腫れていた。以前のワクチン接種後でも会社を休まなければならなかった事もあった。
だから、接種を怖がる報道を観ても、自分としては「いつもの副作用が出る程度なんだな」という印象になる。
だから私は、ワクチンの接種は受けるつもりだ。費用も行政負担ということだからね。
さて、このように書いてきたことを私自身は家庭内ではほとんど話さない。だからワクチンについても意見が別れていて、結局先ず私が接種してその様子を見て判断する、という事になった。笑える。
少しだけ私の話を聞いているヨメさんは、私の父親がテレビを見ていて朝日放送になっていると、ニュースなどの報道番組が始まるタイミングでチャンネルを他の局に変えてしまう。一度だけ何故?と聞いてみたことがあるのだが、返事は「なんか変なんだよね朝日は」だった。少し注意してみていると誰でもわかるという事だろう。
以前の、学術会議メンバー指名問題の、朝日放送の昼間の報道と夜の報道ステーションで出た図の違いは、昼間の通常のニュースの後の数時間の間に誰かが何らかの意図をもった上で、視聴者の誤認を誘う事を目的として、この図に細工を施したというのは事実であり、誰にも異論はないだろう。
こういう事があると、例え左派傾向の方にも朝日放送は観ない事を勧めたいし、大なり小なりメディアはこういう操作を行った上で報道しているのだろうと思ってしまう。
だから私は、以前書いたようにテレビ報道は朝のBS7だけ。但しバラエティー番組はどこも楽しく観させてもらっている。
ニュースは朝だけでは足りない可能性もあるので、日中のNewsPicksやGoogl Newsに集められている記事の拾い読みだ。
YahooNewsには、韓国や中国の報道機関からの転載記事が、通常の記事と並列に掲載されているので、気を抜いているとそれも読まされてしまう。だからあまり見ないようにしている。
YouTubeに多数ある政治をテーマにしたチャンネルは、どれもかなり偏った視点だ。これは意図してやっている人がほとんどだから、それなりに自分の意見をはっきりさせた上で観なければ怖い。
以前の記事でも書いたが、術後自宅療養していた2ヶ月ほどテレビをよく観ていたのだが、昼間のワイドショーでは専門でもなんでもない出演者が、したり顔で、しかも自分が国民の声を代表しているかのように話しているのが、ちょっと気持ち悪く見えるようになった。
あのワイドショーなるものは報道ではないようだし、演芸の一種にでも分類したら良いのだろうか?あれほどの時間を潰しているのは国民の共有財産である電波の無駄遣いではないのだろうか?と思ったりしている。
さて、皆さんはどう思うだろうか?
いずれにしても、ここまで書いてわかるように、テレビを観すぎて形成された、あなたのその”意見”は、操作された上で流されている報道の”意見”を、自分の意見だと錯覚しているのに過ぎない。
メディア沼にハマっているのだ。
そのような”意見”を、さも自分の意見のように、家族や友人に対して演説をカマしてしまって”老害”老人に成り下がらぬよう、くれぐれも注意したほうがいい。
*2021.02.16:中日新聞の報道姿勢について追記しました。
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