
58歳でリタイアした時に見えた景色
早いもので、2020年3月末に58歳と半年で早期退職してから、丸6年が過ぎようとしています。当時はまさにコロナ禍の真っ最中。世の中が混沌とする中でのリタイアでした。そして気づけばもう年金の受給開始まであと半年というところまで来ています。
今回は、この6年間を少し立ち止まって振り返ってみようと思います。日記はつけていない私ですが、過去のブログ記事や僕の「モノいじり手帳」、投資信託の売買履歴などを紐解いてみると、意外な自分の変化が見えてきました。
「再雇用」を選ばなかった今の正直な気持ち
退職後、同年代の友人の多くは再雇用制度を利用して働き続けています。そんな彼らと話をしたり、ネット上の「退職すると社会との繋がりが消える」という言説に触れたりするたび、自分の選択について考えさせられました。
田舎の狭い社会ということもあり、元同僚たちとは今でも時々顔を合わせます。彼らの近況を聞くにつけ、今の私が出した結論は「再雇用で働かなくて本当によかった」ということです。
もちろん、貯蓄を切り崩す生活には経済的な不安がつきまといます。しかし、再雇用で拘束されるはずだった膨大な時間を、自分のため、そして学びのために使えたことは、お金には代えられない財産になりました。もしあのまま会社に残っていたら、今の開放感や新しい視点は得られなかったでしょう。
「会社人間」が初めて知った、社会の仕組みと奥深さ
現役時代の私は、典型的な技術系の「会社人間」でした。正直なところ、当時は自分がどれほど世間知らずであるかさえ気づいていなかったのです。退職の手続きを機に社会制度を調べ始めたとき、まるで「紙を丸めて筒から覗いているような」狭い視点しか持っていなかった自分に気が付きました。
退職後は、確定申告から始まり、市の補助金制度、保険、税金の仕組みなどを一から学びました。さらにそこから派生して、株価や為替、政治・経済、そして今の時代に繋がる歴史まで……。
制度というものは「知っている人だけが得をし、知らない人は損をする」という冷徹な側面があります。完璧ではありませんが、アンテナを広げたことで「申請すればもらえたはずの補助」を逃すような事態は、かなり避けられるようになったと感じています。
お金と健康:自由を支える「二大土台」の現在地
資産については、退職金には手をつけず投資信託で運用しており、多少のキャピタルゲインも得られています。とはいえ、年金受給前までは資産が減少傾向にあるのは事実です。
年金が始まれば運用益と合わせて「横ばい」に持っていける計算ですが、世界情勢や紛争、経済の先行きを考えると、やはり漠然とした不安は消えません。こればかりは、現代を生きるリタイア世代共通の宿命かもしれませんね。
そして、自由を楽しむための最大の資本は「健康」です。 私は股関節を痛めてしまい、大好きだったスキーや登山ができなくなってしまったことが痛恨の極みです。今はこれ以上悪化しないような範囲で動かし、ストレッチを欠かさないようにしています。
血圧も高めで月一の通院は欠かせませんが、年に一度の健康診断は必ず受け、市の補助もしっかり申請しています。こうした実務的なことも、趣味を続けるための大切な「仕事」だと思っています。
趣味の時間は宝物、でも「終活」という難問も
趣味については、若い頃から多趣味でいて本当によかったと自分を褒めてやりたい気分です。
今は、かつて乗っていたホンダの「TL125Sバイアルス」のレストアに熱中しています。バラバラにして部品一つひとつを再生している段階。部品を磨いて塗装をし直す。この時間は何物にも代えがたい「やりがい」です。
一方で、そろそろ目を背けられないのが「終活(片付け)」の問題です。 我が家は、亡くなった父も今年92歳になる母も「自分が生きているうちは家のものに手をつけるな」というスタンス。おかげで家のまわりや物置は、いわば「いらないもの置き場」状態なのです。
母の気持ちも尊重したいのですが、私自身ももう若くはありません。「もしかしたら私の方が先に……」という可能性もゼロではない年齢ですから、母にバレない程度に、少しずつ、こっそりと片付けを始めていこうと目論んでいます。
まとめ:これからの「第3の人生」に向けて
この6年間を振り返って思うのは、「自分の足で社会の中に立ち、自分の時間を取り戻すプロセスだった」という感じですかね。
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再雇用を選ばない贅沢: お金よりも「時間」と「精神の自由」を選んだ満足感。
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知恵は身を助ける: 行政や社会の制度を学び、賢く生きることの大切さ。
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健康と趣味の両輪: 体のメンテナンスをしつつ、バイクいじりやコーヒーを楽しむ心の余裕。
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これからの課題: 経済的な不安と折り合いをつけながら、少しずつ身軽(終活)になっていくこと。
これからの人生、予期せぬ社会情勢の変化はあるでしょうが、これまでに得た知識と趣味という武器を持って、この線で焦らずのんびりといこうと思っています。まずは半年後の年金受給を楽しみに、今日もバイクの部品を磨くことにします。