
今回の紛争について、最近のニュースを見ていても「結局、イランで今何が起きているの?」とモヤモヤしている方も多いのではないでしょうか。
当初は短期間で決着がつくとされていた今回の紛争ですが、もう「戦争」と呼んでもおかしくないようなフェーズに入っていますよね。
一方でトランプさんが急に力が抜けた発言になったり、戻ったり。
でも日本のメディアの報道では、どうも自主規制というか情報の偏りがあって、肝心なところが伝わってこない……。
実は私、ポートフォリオの中に石油危機の影響を受けそうな銘柄がいくつかありまして。これはマズいぞということで、今週は海外ソースを中心に調べていました。
米軍の「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」作戦、その衝撃の戦果
まずは、米国ホワイトハウスのレビット報道官が会見で明かしたイラン側の損害状況です。これが事実なら、もはやイランは組織的な抵抗は不可能なレベルに達していると言えます。
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海軍: 完全に壊滅。軍艦65隻以上を撃沈。
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機雷敷設艦: 少なくとも16隻を破壊(海峡封鎖の牙を抜いた格好です)。
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潜水艦: 1隻を撃沈。
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ミサイル・ドローン: 攻撃能力の90%以上、製造能力の95%を喪失。
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打撃規模: イラン全土の6,000以上の標的に精密打撃。
これほどの戦果を上げながら、米国の主要メディア(CNNやABCなど)が一部で誤報を連発しているのは皮肉な話です。
ABCが「イランが米本土攻撃を計画」と報じて即座に訂正するなど、現場もかなり混乱しているようで、FCC(米通信規制当局)がこれら誤情報発信への警告を出す事態になっています。
4月開催のF1バーレーンGP・サウジGPは早々に中止が決定しています。
ホルムズ海峡の「実質的封鎖」と原油輸送の限界
現在、ホルムズ海峡は物理的に完全に閉じられているわけではありません。しかし、状況は深刻のよう
です。
イランの正規軍が機能不全に陥ったことで、過激な革命防衛隊(IRGC)が暴走し、実質的に通航船を支配しているような状態です。実際に11隻以上の船舶が被害を受け、6隻が放棄される事態に。これを受けて保険会社が保険引き受けを制限し始めたため、
「通航を止められているわけではないけれど、リスクが高すぎて誰も通れない」
という、実質的な封鎖状態になっています。
代替ルートの現状も調べてみましたが、なかなか厳しいようです。
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サウジ・ヤンブ港(紅海): 産出量の約70%をカバー可能。
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UAE・フジャイラ港: キャパはヤンブの3分の1程度。
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オマーン・サララ港: 散発的な攻撃の影響で積み込みが縮小中。
オマーンの積み出しが縮小したのは痛いですね。
トータルでの輸送量は平時の「半減」と言われています。
ところが、不思議なことに先週週明け月曜午前の原油価格は$100前後と高いところまであがり、その後また$92ほどまで下がり、とボラティリティーが大きくなっています。
明日の取引開始の原油価格や各先物価格に注目しましょう。
日経平均株価も今週は驚くほどまでには下がらずも、普段より大きい変動幅を持って上下していました。
そして、日本が休日になっている現在下がってきていて先物価格が週末締めで5,1000円台まで下りました。
これら変動をどう解釈すればよいのか?
さらにフランス、イギリス、ドイツがこの問題について「我々の戦争ではない」と逃げの姿勢を見せていましたが、日本も参加した地域安定化を要求する共同声明には乗ってきました。
次の焦点は「カーグ島」と地上部隊の上陸?
そんな中、週末には米軍がイランの石油輸出の心臓部である「カーグ島」への攻撃を敢行しました。ここはイランの石油積み出しの重要拠点ですから、ここが叩かれた意味は極めて大きいです。
これを受けて一部の有識者の間では、「ついに米軍による地上部隊の上陸が検討されているのではないか?」という予測も出始めています。
もちろん現時点では未確定の情報ですが、エネルギー施設を完全に制圧するとなれば、空爆だけでは限界があるという見方なのでしょう。もし上陸となれば、事態はさらに一段上のフェーズへ移行することになります。
イラン国内の「統治崩壊」とパフラヴィー皇太子の影
一方で、イラン国内からも「統治崩壊」の足音が聞こえています。
インターネットはほぼ遮断され、街中では10代の兵士も含む革命防衛隊配下のバシジ民兵が市民のスマホをチェックし、怪しい画像があれば即逮捕……という、かなり殺伐とした状況のようです。
こうした強権的な弾圧は、裏を返せば政権の焦りの現れで、一部では内乱の可能性も囁かれていますが、もし現政権が崩壊した場合、かつての亡命王子であるレザー・パフラヴィー氏(先日、ゼレンスキー大統領とも会談していましたね)が戻って権力を掌握する、といったシナリオも現実味を帯びてくるのかもしれません。
もちろん、彼が戻ったとして敵対してきた革命防衛隊とどう折り合いをつけるのか、という壁は残りますが、急速な安定化への唯一のルートとして期待する声があるのも事実のようです。
その後統治崩壊はさらに進んでいるようで、3月のテヘランの様子としてXに投稿された動画では、女性がヒジャブを着用せずに歩いている姿が流れています。
https://x.com/naruko_aiart/status/2034945929951027511?s=20
これは市街地での革命防衛隊の力が弱ってきていることを示唆しています。
「対イラン共同声明」が効いたのか?
昨日以下のニュースが流れました。日本のメディアの取材に答えてとのことですね。
「対イラン共同声明」の効果か、日米首脳会談を見てなのか、どちらにしても水面下で日本政府が折衝を続けていた効果はあったようで、これは裏がなければ朗報と受け止めてよいのではないでしょうか?
昨日時点でホルムズ海峡を通過できずにペルシャ湾内で足止めになっている日本向けの船は40〜45隻とのことですから通過できれば大きな数字です。
まとめ:私たちは何を注視すべきか
今の状況を整理すると、
「軍事的にはイランは壊滅状態だが、革命防衛隊によるゲリラ的な通航妨害がエネルギー市場に影を落とし続けている」
と言えそうです。
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米軍によるカーグ島以降の次の一手(地上戦はあるのか?)
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イラン国内の市民不服従運動の行方
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そして、この状況下でも動気が鈍い原油価格の「正体」
- さらに注目はホルムズ海峡通貨の状況
この4点には、引き続き目を光らせておく必要がありそうです。少額とはいえ石油関連銘柄を持っている身としては、気が気じゃない状況になっています。