
ずっと円安基調が続いていた為替市場ですが、1月23日、突如として円高方向に大きく振れました。それに伴い、輸出関連企業を中心に株価が下落した、という報道を目にした方も多いでしょう。
市場では
「レートチェックが入ったらしい」
という情報が一気に拡散し、さらに翌24日には
「日米が為替介入を行ったのではないか」
という観測まで流れました。
翌日24日の終値は155.739円、さらに翌週月曜日は154.590円から始まる状況で、週中には一時152.086円まで進みました。
しかし、その後は比較的緩やかに回復基調が見られました。
結局「このまま一気に円高が進行する」という見方は少数派だった印象です。
その後月末の発表で実際には介入は行われていなかったことが明らかになります。
そして2月2日の今朝。
多くの専門家やジャーナリストの感触のとおり、為替は再び155円台半ばへと戻り、落ち着いた値動きになっています。
一般に言われる通り、仮に介入が行われたとしても、その効果は数日から数週間。
今回の値動きも、まさにそれに近い動きだったと言えるでしょう。

FXをやっている人の中には、今回の急変動で大きく利益を出した人もいれば、逆に痛い損失を被った人もいたのでしょうね。
ただ、気になったのは「情報の歪み」
一方で、X(旧Twitter)や一部メディアでは、事実誤認に基づく極端な主張も目立ちました。
たとえば──
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「選挙期間中の為替介入は越権行為だ」
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「為替介入は選挙対策だ!」
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「為替介入に税金を無駄遣いするな」
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「外為特会の利益を困っている人に配れ」
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「外為特会は円安で儲かる会員制組織だ」
……などなど、冷静に見れば首をかしげるようなポストも少なくありませんが、本人たちは大真面目で同じような話題で延々とやり取りを続けています。
ここで特に多くの人が勘違いしているのが、Xの「タイムライン」というものそのものです。
タイムラインは「本当の世界」ではない
Xのタイムラインに流れてくるポストは、
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過去にどんな投稿を見たか
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誰をフォローしているか
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何に「いいね」したか
といった履歴をもとに、強くフィルタリングされています。
よく見かけるのが、こんな言葉です。
「そんなこと言ってる人、私は見たことがない」
でも、それは当然なのです。
自分と意見や立場が異なる投稿は、そもそもタイムラインに流れてこない仕組みだから。
これはXに限らず、YouTube、ニュースアプリ、検索結果でも同じです。
ただし、ポストへのリプライ(返信)は、賛成でも反対でも表示されるため、
「なぜこんな極端なリプライが突然出てくるんだ?」
という混乱が生じます。
安倍元総理の国葬議論で起きた“分断”
この現象が特に顕著だったのが、安倍元総理の国葬を巡る賛否でした。
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「賛成の意見なんて全然流れてこない」
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「いや、反対意見なんてほとんど見ない」
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「お前、嘘ついてるだろ」
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「いや、お前のほうがおかしい」
……こんな応酬、覚えている方も多いでしょう。
でも実際は、お互いがまったく別の「それぞれの世界」を見ていただけなのです。
たとえるなら、
地球人が
「酸素が吸えないと死ぬぞ」
と言い、
火星人が
「いや、酸素なんて有毒だ。二酸化炭素がないと死ぬ」
と反論しているようなもの。
同じテーマを語っているつもりでも、住んでいる環境が違えば、噛み合うはずがありません。
そしてさらに怖いのは、こういうことを当然の常識として知っている人もいれば、全く知らずにネット世界を観ている人もいる、という現実です。
実は「ログインしなくても」Xは見られる
ここからは少し実用的な話です。
実はXには、ログインせずにタイムライン(ランキング別)を閲覧できる外部ツールがあります。
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ログイン不要
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過去の閲覧履歴によるフィルターがかからない
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トレンドや話題を比較的フラットに確認できる
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キーワード検索も可能
つまり、
「自分専用に最適化された世界」から一度外に出て、全体像を見ることができるのです。
意見の多様性を確認したいとき、
「本当に“みんな”がそう言っているのか?」
を確かめたいときには、こうした見方も有効でしょう。
私はiPhoneではYahooの「リアルタイム検索」というツールを使っています。満足していますが同じ機能のPCサイト版は使いにくいですね。他にも良いものがあるようですのでご自分にあったものを探してみてはどうでしょう。

最後に:ネットを見る側の心得
ネット、特にSNSは便利ですが、現実をそのまま映す鏡ではありません。
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「みんな言っている」は、ほぼ幻想
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強い言葉ほど拡散されやすい
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正確な情報ほど静かに存在する
フィルターバブルの特性を知らないまま情報を受け取ると、
知らず知らずのうちに、極端な世界観に引きずられてしまいます。
「Xで流れてきたから」
「タイムラインがそう言っているから」
「YouTubeを開くとそういう動画がほとんどだから」
その一歩手前で、
「それ、本当に全体の話だろうか?」
と立ち止まれるかどうか。
それが、今の時代に一番大事な“情報リテラシー”なのかもしれませんね。