前回「その1」はこちら
5.登りの”補給”
さて、登りの時の”補給”についてもポイントが有る。
これを怠ってがむしゃらに登ってゆくと、いわゆる”ハンガーノック”という現象が発生してだるくて動けなくなってしまう。
私自身、蝶ヶ岳に登った時にハンガーノック状態になってしまい、登山道の傍らで30分以上座り込んでしまった事がある。
蝶ヶ岳の三股登山口からのルートや常念岳の一ノ沢ルートなどは、谷から登り始めて山頂に近づくにつれて斜度がきつくなってゆく。だから前半調子が出やすく、しかしそこで体力を温存しておかないと最後がつらい。
このようなパターンになっているルートは体力の配分に注意が必要だ。
ハンガーノックとまでいかなくとも、登りでだるくなって息が上がって長時間休まざるを得なくなってしまうと、その後の予定も狂ってくるし、行動が午後に喰い込んでゆくと7,8月の場合だと雷雨に会ってしまう危険もあり、特に雷の場合は命に関わる話になる。
その1で”心肺”を一定にと書いたが、これを維持するためには道中で適切に補給をしてゆくことが重要となる。
その徴候というか症状は以下のような感じだ(2022.10.06追記)
・初期には空腹感を感じる。但し”なんとなく腹減ったな”という程度
このサインを見逃さないように!
・中期では”あー腹減ったな〜”という感じで同時に喉が渇き、だるさを感じる
遅くともこの時点で適切な補給と休息が必要だ
・ハンガーノック発症時点では、強くだるさを感じ足が出なくなり立ち止まってしまう
こうなってしまうと休憩して補給するしか無い
場合によっては横になって回復を待つことになる
但し、意識障害が出てきている場合は救助を要請しなくてはならない
但し、補給については人それぞれ”最適”が異なるので、ご自分に合ったパターンを見つけていただく必要がある。
それで以下その方法を書いてゆこうと思ったが、この分野については多くの記事が出てるので、そちらの参照してもらうのがいい。
参照すべきは登山関係の記事ではなく、トライアスロンとか自転車、マラソンの分野が進んでいる。特に自転車の分野は科学的知見に基づいた記事が多いようだ。
だから[ハンガーノック自転車]と検索してそのノウハウを得ておくことをおすすめする。
私の場合は自転車の方々の方法を参考にした上で、以下のようなことを気をつけて登っている。
・出発前の糖質補給 → 白飯を中心にしてプラスクエン酸(梅干し)を補給
・登攀中は常に補給 → ザック腰ベルトのポケットに補給食(カロリーバーようなもの)を持って少しづつ頻繁に補給する
カロリーバーは下の写真の「ブルボンSlowbar」が安いのでお気に入りで、これを4〜5回に分けて15〜30分毎に口に入れてゆく。似たようなものは多く売られているので自分のお好みを探すと良い。
もちろんカロリーメイトでも良いが、口の中がバサバサになるので水分が余計に必要になる。
”腰ポケットに入れる”理由は歩きながら食べることが出来るからだ。
補給食と水分はザックを下ろさずに歩きながら補給できるようにしておくのは必須だ
先日の行者岩登山では、すこし賞味期限が切れていたカロリーメイトがあったのでこれを2本を最初の1時間半で消費し、次にSlowbar(こっちは直前に買ったものダヨ)と、途中休憩時にコンビニおにぎりを1個消費した。
もう一つ、ハンガーノックになりそうだとか、これから急登になる時は一気にカロリーを入れる必要がある。
このような状況に備えてPOWER LIQIDを1つ持ってゆくようにしている。似たものは他にもあるのでカロリーバーと同様、いろいろ使ってみて好みを見つけ出すのも楽しみになるだろう。
たった40gで113カロリーが補給出来るから、イザという時はとても重宝する。
この記事を書いた後の022年の10月18日付けで、BRAVO MOUNTAINさんに以下の記事が掲載された。上記についてよりわかりやすい解説になっているので合わせて読んでみてはいかが?:2022.10.20追記。
さて全2回とするつもりだったけどもう少し必要のようだ。
次回は
6.登頂
7.下山と休憩、補給
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今日の一曲
「Surfin' U.S.A.」The Beach Boys
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