台風14号が去った後寒くなっちゃったよね。ここ信州ではもう朝夕は暖房が必要だよ。ストーブはまだ出してきてないのでエアコンで軽く暖房してるんだけどね。
最近友人とLINEをした時や、Twitterのタイムラインを観ていて「世論調査」というものが実際にどういうものなのかを知らない人が多いことを知った。
*私はTwitterはやっていないがタイムラインは専用アプリを使って毎日見ている
昨年東京オリンピックが開催された前後で、「世論調査」が何回か行われ、その結果に疑問を感じた人も多いのではないだろうか?
あのときの結果は、オリンピック開催前では”開催反対”が多く、開催した後では”開催してよかった”が多数だった。
これだけをみるととても奇異な結果だ。
しかし、ここには「世論調査」の仕組み上の大きな盲点(単なる特徴なのだが)があり、その特徴を知っていればどんな結果でも冷静でいられるだろう。
実際東京オリンピックの調査結果は私の予測通りになった。
ま、要は「世論調査」なんぞ盲目的に信じないほうがいい、という事。
以下説明しよう。
1.サンプル数
「世論調査」は「標本調査」という方法で実施される。「サンプリング調査」とも言われていて同じ意味だ。
無作為に抽出された一定数の人々の解答を、統計学の「中心極限定理」という方法で計算して全体の意見はこうだ、という数字にする。
要は、わずかなサンプルから全体を統計計算によって推測する方法、というわけ。
では、そのサンプル数はどの程度なのか?というと、この「中心極限定理」では1,000から1,500程度で十分、という事になっていて、実際に新聞やテレビのニュースを見ていると、「世論調査」の報道の時に、
”RDD方式により無作為に抽出された1,232人の回答がありました”
というような説明がついている場合が多い(無いこともある)。
*RDDとは:Random Digit Dialing
従って”サンプリング”というだけあって、だいたい千人ちょっとの”意見”から日本全体を計算で予測しているに過ぎない。
2.有意抽出
さらにこの方式では、方式的に”有意抽出”という行為をしても良いことになっている。
「無作為抽出では母集団を代表する標本が得られないと調査する人が考えた場合、母集団を代表すると思われるサンプルを「作為的に」母集団から抽出してもよい。これを有意抽出と言う」
という事だ。
従って無作為に抽出した後で作為的な操作が可能ということ。
3.質問方法
質問方法も主催者が決定する。
例えば単に「支持政党名をお答えください」と問えば政党名を答えるので、サンプルとなった人の支持政党をデータとして拾うことが可能で、これはどの政党支持者に対してもフラットな質問となる。
例えばしかし「現自民党政権を支持しますか?」という質問にしてしまうと、自民党支持だけれど、”今の”政権は支持できないという人や、極端な例では「むしゃくしゃしてるから反対を投じる(実在)」という人たちがいて”いいえ”という回答が増えるだろう。
「〜に反対ですか?」という問いも同様だ。
報道で”世論調査によると〜に反対と回答した人の割合は70%を超えています”というのは統計的手法に載せるには”意図的すぎる”から、アンケートや統計計算を仕事にしているプロは、こういう質問形式はとらない。
4.調査方式
現代の「世論調査」はほとんどRDDで、ほんの数年前までは固定電話のみの調査だった。だから当時の「世論調査」は”固定電話しか持たず日中家にいる人の意見”を抽出していたことになる。
今は携帯電話と固定電話からランダムに抽出しているので以前よりは精度は上がっているが、それでも”日中調査に答えられる人”に限定されている事に変化はない。
「世論調査」は自動化されているのになぜ昼間実施されているのか?について、そこになにか意図があるのか?どうかは、私にはわからない。
また、突然電話がかかってきて、自動音声が”世論調査です”と流れた場合に、多くの人は電話を切ってしまうだろう。切らずに回答に協力する人は、”それなりの”意思や動機を持っている人に限定されてしまう。
実際RDD方式の調査を行った場合に、1,000件以上の回答を得るためにはその7〜10倍の電話をかけなければならないそうだ。
よって、「無作為な調査」を行っているのに、実際には自動音声の最初のワードによって回答する母集団が偏ってしまう、場合によっては意図して偏らせることも可能になる。
例えば冒頭で”安倍元首相の国葬に関する世論調査です”と言う音声が流れた時に、おそらく国葬に賛成があたりまえで調査の意味なんて無いよ、と思う一般の人の多くは電話を切ってしまうだろう。
しかしこの件については反対の人は相当な意思や動機を持っている事が多く、焼身自殺未遂を起こすほどこじらせている人もいるほどだ。
従って、自動音声に答えて実際に回答をする人の多くは反対の意見を持っているだろう。こうなると、調査結果は”反対意見が多数”となってしまう。
東京オリンピックの世論調査が、開催前後で逆の結果となった原因も、この部分にあるだろう。
と、いうかそのように”問い”を作って世論を作り上げて”記事”と称する商品を、多く、高く売る商売をしているのが、今の新聞社でありテレビ局であって、彼らはジャーナリズムとは全く違う類の人たちだという事も知っていたほうがいい。
以上4項目に分けて説明したが、もちろん明らか異常がない限り「有意抽出」は行わず、正しい”質問”形式にするなど、調査側が出来る限りフラットな調査となる努力を行えば実際に近い数字にはなるはずだ。
しかし現実には、ここ最近行われている「世論調査」では意図的とも思える”操作”が入っていて、信頼に値する結果は出ていないのが現実だ。
同様の現象が起こる為、街頭での「シール投票」のような方法でも同じで、わざわざプラカードを持った高齢者の皆さんの元に、”自ら近寄りシールを貼る”という行為に至るのは、今回の場合で言えば「国葬反対派」が多数になってしまうし、「シール投票」というのは統計手法にもなんの調査手法にも寄らないわけだから、世論を反映しているとは言えない単なるおままごとに過ぎないし、やり方によっては恐ろしい世論誘導とも言える。
そもそも正規の調査手法に寄らない方法はもちろん、正規の統計的手法によってでも、それらで正しく全体の傾向が確かめられるのであれば全数調査は必要ないのだが、統計的手法等では正しくない(結果に偏りが出てしまう)場合が多いので、国勢調査などの重要な事柄では全数(戸)調査が実施されるし、代表者を選ぶ時は法律の定めによる選挙を行っている、というわけ。
以上今回は、こういう最低限の知識を持った上で世の中を見ていたほうがいいですよ、という話。
*一部誤記と説明を追加しました 2022.09.26 16:00
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