今回は「報連相」と「命解援」について。
「その20」以前が未読の方は先ずは一つ前の以下の記事から。
「報連相」というのはよく聞くと思うが「命解援」は知らない人も多いのではないか?
何故か?
その理由を簡単に言ってしまえば、日本の多くのリーダーや管理者がクソだからだ。
もともと「報連相」と「命解援」はセットだったわけだが、クソリーダーやクソ管理者が、自分がやるべきことを継承せず、自分に都合が良く部下に対して優位でいられる「報連相」だけを伝えてきた、というのが事実だろう。
「命解援」は、リーダーや管理者、マネジメント教育がしっかりしている欧米の企業では、マネジメント・スキルの一つとして「命解援」という言葉、括りではなく包括的、総合的に、大切にされてきている。
しかし、先進国で唯一日本だけは部下を管理するための「報連相」の一部のみを残して忘れ去ってきた。
この記事では「命解援」を中心に「報連相」を含めて解説してみた。
さて、このブログのいつものやり方で、吊るしで得られる情報は事前に他から得てきてほしい。
「報連相」については、世に様々な”解説”があるが、その多くはリーダや管理者が「報連相」を起点にアクションを行う、という主従関係として説明されている。
これは根本的に間違いだ。
メンバーや部下は、指揮命令系統の上位=リーダーや管理者、経営者からの指示命令を元にアクションを始める。
こう書くと世のクソ管理者たちはこう言うだろう...
「そうではない!指示命令を受けずとも状況を判断して適切に動け」
と。
そもそも、こんな冗談のような話が、さも当然のように流布、伝承されてきているのは、日本企業の大きな弱みのひとつだ。
欧米の産業文化を具現化したとも言えるISOでは「インプット」という事を大切にしているので、ISOの認証を受けている企業はまだましだが、そういった考え方を一度も学んでいない人たちには「命解援」は全く理解できないのかも知れない。
さて後先逆になってしまったが解説してゆく。
「報連相」については既に他で学んできているものとして「命解援」。
「命解援」とは、
・命令
・解説
・援助
の事だ。
いくつかの書籍やネットの上の記事には「部下が『報連相』をしてきたら『命解援』で返せすようにする」というような意味の解説が見られるが、これは完全なる間違いだ。
どこが間違いか?
主従が逆転している所が間違いだ。
そもそも、部下の「報連相」は上長の命令や指示を元にアクションを行った結果報告からスタートする。
だから、最初に「命」があり、場合によって同時に「解」で補足する。
仕事の主体はリーダであり管理者なのだ。
部下がタスクに着手して、まだ結果が出ていない場合でも中間報告や、行き詰まっているような状況報告、着手前の時点で問題や障害にぶつかり、それを報告することもある。
だから間違った理解をしている人は、おそらく仕事というものの進行を仔細に観察したことがなく、あまり正しく理解できていないのだろうね。
部下から「報連相」を受けたら、上長は解説や援助を行い、部下が仕事を再開できるようにしてあげるのが仕事だ。
「報連相」を受けた上長の中にはもっとひどい輩がいる。
「全部教えてしまうと彼が伸びない」と考えてしまう人たちだ。こういうクソリーダは意外と多い。
こんなのは解がないナゾナゾを仕掛けているに過ぎない。
「人は成功体験を積むことで伸びてゆく」という世の真理を知らずに大人になってしまった人たちなのだろうが、そんな大人をリーダーや管理者にした、その上司や人事は絶望的に能力が低い、という事になる。
だから管理者は「報連相」を受けたらナゾナゾなど仕掛けずに、絶対に必ず「解援」を行う事だ。
だが場合によっては、その「報連相」の内容に対して上長が「解援」出来ない場合がある。
仕事とは状況によってその解は常に異なるので、その部下が「報連相」してきている案件の状況によっては、当然「解援」出来ないこともあり得る。
私がセブ島に駐在していたときには、「報連相ー命解援」カードという名刺サイズのカードを作成して全員に持たせていたから、何かあれば即時「報連相」があり「命解援」していた。
ある日の事、現地採用のリーダー(フィリピンのトップクラスの大学を出た秀才たちを採用していた)達が「報連相」してきたのだが、私も全く初めての状況で、即時答えられなかった。
「んーそれは俺にもどうしたら良いかわからんなぁ」というと、
彼らはびっくりした様子で、
「tomoさんにもわからないことがあるんですかぁ?!」
と言っていたが、私にもわからないことはあるのは当然だ。
でも確かに、駐在以来その時までは、私の経験済みのレギュラーな問題が散発していただけだったので、彼らの「報連相」に対して即時且つ明確に「命解援」が出来ていたと思う。
さてこのように、部下の「報連相」に対して「解援」出来ないときはどうするか?
関係者有識者を集めて状況把握し、状況を理解し、何をすべきか決定しろ、と「命」として指示する。自分の立場と状況によっては、その打ち合わせには自ら参画する。
という事になる。
その企業の有識者が集まっても解決できないのなら、それがその企業の実力なのだから仕方ない、それまでだ。
しかし、その事業を専門的に一定の期間以上やってきた企業なら、そこで発生する問題は自分たちで解決できるはずだ。
出来ないなら外に支援を求めることになる。
というように解決に向けて継続的に指導してゆくことになる。
従って日本企業に未だにはびこっている「部下に『報連相』をさせる」の「させる」という認識がそもそもの間違いであり、「報連相」以前に上長が「命解援」できるスキルを持つことが大切だ。
以上、特に「命解援」について世の中の誤解や間違いを正したつもりだがご理解いただけただろうか?
補足:2021.07.30追記
今の若い、いわゆるイケてる人達の方言では、「インプット」は「学び」というような意味で使われるのが主流のようだが、本記事中の「インプット」は本来の「入力」という意味で使っている。
従って仕事の上で「インプット」は、上長から部下への命令へ指示、部門間では仕事の依頼という事になる。
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