tomo1961’s blog

-55を過ぎてギターを始めた男が早期退職した後の顛末'ing-

法律を知っておくのは意外と簡単 [No.2021-147]

 

会社員として勤めていると「彼はプロだなぁ」と感心するような人に何度も出会う。

 

彼らは常に新たな情報を仕入れているし、そういう行動が身についている人達だ。

 

私自身もそう有りたいと思い努力を続けてきたし、今もそれは、いわゆるクセになっていて続いている

 

そしてそう有りたいと思っていても差が出てくるのは、努力の程度や、その想いの程度に差があるからなのだろう。

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さてしかし「彼はアマチュアだなぁ」と思ってしまうような人には、その何倍もの人数に出会ってしまうのも、会社員という商売の悲しさだ。

 

私は在職中、プロであるべき仕事の場面で天真爛漫にアマチュアリズムを発揮して同僚の仕事を邪魔したり、所属する企業だけでなく関係取引先にまで損害を与えていた人を何人も見てきた。

 

その迷惑の中で一番困るのは法規の不遵守だ。

 

例えば、

・試作品を生産に流用すれば脱税。

・支払いが遅れれば、相手が中小なら下請代金支払遅延等防止法違反

・戦略物資に該当する物品を輸出すれば外為法違反

・海外の関係会社から輸入する品物の価格を安く申告すると国内の消費税法違反

・親会社の損金を関連会社や取引先に付け替えれば”飛ばし”

などなどだ

 

こういう話をすると、そのアマチュアの人達は必ずこう言う、

 

「だって誰も教えてくれなかったじゃん」

 

しかし私の勤めていた会社では、上記連ねた法規制については、全社員に対して毎年1度e-Learningが流れてきて、必ず学習していたから、教えてもらっているし知らないはずはないのだ。

 

そもそも、関係する事件や事故は頻繁に起きて報道されているのだから、毎日ニュースを見ていればそれなりの仕事をしている日本の社会人程度の能力があれば、どれも自然に知る事になるような事案だ。

 

私が直接携わっていた仕事でも、コンプライアンス違反が疑われる処理を発見し、即指摘したのだが、指摘後も理解できる者が誰一人としておらず、私のほうが数カ月間”変わり者”扱いを受ける羽目になった事がある。

 

以前の記事から漏れなく読んでいただいている方々は「またかよ」と思われるかもしれないが、やはりこれも製造側苦情受付チームのリーダーだった時の話だ(在籍していたのはたったの5年だがいろいろあった)。

 

あの頃は関係するほぼ全員がド素人だったなぁ〜酷かったね。

 

お客様から受け付ける製品のクレームは、

その約8〜9割はお客様の責任=誤認や使用ミス、時には過失落下による損傷など、

及び営業の責任=売り方のミスや保管、輸送損傷などであり、

 

製造に責任があるケースは非常に少ない。

 

しかし、私がその職場を担当してすぐに気がついたのが、その処置に係って発生した損失金が全て製造関連会社にプールされる処理になっていた事だ。

 

発生するのは大体毎月1千万円前後で、そのうち製造責任の額は数万円から多い時でも百万円前後だった。

 

私がこれを指摘すると、関係者達から猛バッシングが返ってきた

 

彼らの言い分は「最終的には精算して支払われるから問題ない」というのだ。

 

単発ならば一時的な建て替え、という事で言い訳が立つが、厳密に言えば建て替えでも罪になる場合はあるようだ。もちろん金額規模にもよる。

 

しかしその処理では、数百万から一千万円規模が毎月プールされ、事業部からは翌月支払いだから、その額の8から9割規模の額が常に関連会社持ちとなってスライドしていた。

 

これを問題としない神経が私には理解できなかったわけだが、他の全員が理解できなかったから私のほうが”変わり者”として扱われてしまったのだ。

 

全くひどい話だったゼ

 

彼らには”損失金のプール”の「プール」するというワードにピンときていないようだったが、ニュースは見ていないのか?新聞は読まないのか?世の中にこういう事件がいっぱいあるではないか?鈍いにもほどがあると思った。

 

この時は自分の上司も含めて全員無知だったから本当に困ったよ。

 

その後、何度か説明を重ねるうちに「tomoさんがそこまで言うなら、経理部に判断してもらおう」という事になった。

 

経理部への相談は、どちらかと言えば、私の不満のガス抜きくらいのつもりだったらしいが、私は不満があったんじゃなく、単にコンプライアンス違反疑い例を見つけてしまった、だけの事だったのだが...

 

そして、事業部側の課長が経理部に行って事情説明し、いきなりその対応をした担当者から強烈に叱責されそうだ。

 

その場でいくつか反論したらしいのだが

「あなたは課長という立場でコンプライアンス違反を正当化するつもりなんですか?!そうなのであれば私も上に報告しなければならなくなるがいいんですか?!」

という調子だったそうだ。

 

後日、その結果説明の会が持たれたのだが、彼は見るからにシュンとしながら「経理部の指導を総合的に解釈すると、tomoさんが最初に出してくれた対応案で行くという事になる」と、結論を先に言った上で説明してくれた。

 

深刻だと思ったのは、その課長が説明し終わった途端に、私を除く出席者から猛バッシングを受けた事だ。

 

無知体質の人間が集団になるほど怖いものはない。

 

最終的には、その課長が説明し切って出席者全員がようやく状況を理解する事ができたのだが、紛糾したよその会議は。忘れられないね。

 

既に書いたが、法律を知っておくのは意外と簡単なのだ。

 

単にニュースで流れる事件や事故の話題をちゃんと見て知る事だ。

 

それだけでほとんどのコンプライアンス問題は頭の中に入るはずだ。

 

そんな色々なニュースなんて見きれないよ、という人は以下のどれか一つを毎日見ているといい。夕刻から深夜に限定すると、各時間帯別にそれぞれ1択だ。

 

18時台:なし

19時台:NHKニュース(やや偏向記事もあるが何も見ないよりは良い)

20時台:BSフジ「BSフジLIVE プライムニュース」

21時台:BSテレ東の「日経ニュース プラス9」

22時台:なし

23時台:BSテレ東の「WBS

 

この時間帯のこれ以外の報道番組は害があるので良い子は見てはいけない

 

この世の社会で生きていく以上、法律は絶対に守らなければならない。

そして法律というものは「知らなかった」という言い訳が許されないという事も、今一度肝に銘じておこう。



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今日の一曲

「No Expectations」The Rolling Stones

 

*本ブログに掲載している広告とリンクを除く全ての写真はtomo1961又はその家族が撮影したものです。

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