tomo1961’s blog

-55を過ぎてギターを始めた男が早期退職した後の顛末'ing-

今さら聞けない仕事のツール その11 [No.2021-132]

 

「その10」以前が未読の方は先ずは一つ前の以下の記事から。

tomo1961.hateblo.jp

 

前回に続いて「IE 7つ道具」を順次説明してゆく。

 

流れに注目してご自分の職場を観察してみたことはあるだろうか?

 

観察の方法は色々あるが、対象の工程や流れを定点から20分程度観察して気がついた事を関係者で論議し逐次改善案を出して実行してゆく、という簡易だがいつでも出来る、という方法はとても便利だ。

 

こういう簡易的な観察法はいつでもどこでも出来るというメリットが有る一方で、誰でも出来てしまうというデメリットもあるので要注意だ。

 

要は無知だが声が大きくて権限を持っている、という”悪い奴”でも出来てしまうので、IEや改善について未熟な組織や、程度の低い管理者のいる組織では実施しないほうがいいだろう。

 

観察してみると、いつもAさんとBさんはなにか数分論議してからでないと先に進まない、とか手を休めてぼっとしている時間がある、とか何度もやり直しをしている、毎回手順が違うなど、さまざまな異常が目につく事がある。

 

そういった事を体系的な活動から見つけ出して、改善してゆくために今回の「工程分析」を行うことになる。

 

毎度だが、基本的な情報は他で得てきてもらってある前提で進めてゆく。

インダストリアル・エンジニアリング - Wikipedia

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1. タイムスタディ(時間研究)
2. 稼働分析

4. 作業分析(動作研究)
5. レイアウト分析
6. マテハン分析
7. 事務工程分析

 

3.工程分析

「工程分析」には切り口、という意味で4つの方法がある。

・製品工程分析

・作業者工程分析

・連合作業分析

・運搬経路分析

それぞれの方法論については専門に扱っているサイトが数多くあるので、そちらを参照していただきたい。

 

「工程分析」で注意すべき事は、対象にする工程に関して、最低限の知識を持った上で望む、そういうメンバーによって分析を行うということだ。

 

IEという手法は、観測してその結果を得て、得られた結果を分析し、改善案を提案し、実施して効果を確認する、という流れになる。従ってこれもOODAの流れと同じだ。

 

往々にしてあるのは、幹部候補生だが工程の知識を持たないような人間がIE改善メンバー指名され、本人は低いモチベーションのまま、指名されたからやる、というスタンスで実施するというパターンだったりする。

 

こうなると正しい結果が出ないばかりか、対象となった工程のメンバーのモチベーションまで下げてしまうし、このようなプロセスで提案された改善案は大抵的はずれなものになるだろう。

 

従って管理者は、適切な人材を選定した上で、観測の実施前までに以下のことに対して対処しておくべきだ。

・観測側の知識とモチベーションを高める事

・対象工程のメンバーと観測者とのコミニュケーションを高めておく

具体的な方法としては、事前の学習会や意思結集のためのイベント(キックオフ会)等を開催ような事が考えられる。

 

キックオフ会は効果があるよ。

 

キックオフ会では以下のような事を実施すると良いだろう。

・リーダーの挨拶

・メンバーの紹介

・観測の目的説明

・実施計画(日程を含む)の説明と合意

・改善案,要望などの取り扱いについて合意

・求められている成果の明確化

・各校に対する論議

のような感じだ。

 

関係組織の出来る限り格が高い者が出席すると効果は更に上るのは言うまでもない。

 

こいう言う時には、意外と権威が効くことが多い。

 

さらに、観測側の能力のレベルとして、対象工程の工程設計が出来る、というレベルの者が望ましい。

 

「工程分析」をして流れ図や工程表を作成するが、工程設計の能力が無い者が提案する”改善案”は、的外れな事が多く大変に危険だ。

 

「知らない人の目で見るからこそ良いアイディアが生まれる」というホラを吹く人がいるが、それは”思いつき”レベルの発想であり、まぐれ当たりが称賛された負の歴史を持つ組織なのだろう。

 

さらに、工程で実際にその作業に携わっている人の意見や言い分をよく聞く事だ。

但し、聞いたからと言って従う必要はなく、客観的な事実に基づきその効果を判断して採否を決める。こう言う事も、事前のキックオフ会で両者合意しておく。

 

但し、工程側メンバーに不満が多いような特殊なケースでは、いわゆる”ガス抜き”として大した効果は見込めないが、工程側提案の”改善案”を一つ二つ採用しておく、というもアリだ。

実際私にもこういう経験はある。

 

どちらにしても、全体として成果が上がらなければやった価値が無くなってしまうから、様々な視点から判断して進めてゆく。

 

従って管理者もIE改善チームの一員として参加することは必須だ。




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今日の一曲
「風になる」つじあやの

風になる

風になる

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