「その9」以前が未読の方は先ずは一つ前の以下の記事から。
前回に続いて「IE 7つ道具」を順次説明してゆく。
急な増産や一時的な緊急事案を無事やり過ごした後、ホッとして自分の職場を見渡すと、なんとなくロスが多くてスムーズに流れていない気がする事はないだろうか?
おそらくその「感覚」に間違いはないだろうし、そういう感覚的な、いわゆる直感を信じて行動するのは、経験値がある程度高いならば、悪いことではない。
しかし、その直感が正しい事と、具体的にいったい何が問題なのかは、実際に観測して明らかにしなくてはいけない。
漠然とエリア全体のロスやムダをどうやって明らかにすればいいのか?
そこで今回の「稼働分析」を行うことになる。
毎度だが、基本的な情報は他で得てきてもらってある前提で進めてゆく。
1. タイムスタディ(時間研究)
3. 工程分析
4. 作業分析(動作研究)
5. レイアウト分析
6. マテハン分析
7. 事務工程分析
2.稼働分析
稼働分析とは、先のように職場を観察して無駄がありそうだと思うような事を、実際に観測して数字で明らかにする為の手法だ。
職場ではモノを加工するなど直接付加価値を生んでいる仕事以外に、付随する運搬や伝票記入など雑作業が発生するし、作業者が声を交わしたりトイレに行ったりする余裕も必要だ。
これらがどの程度の割合で発生しているのかを観測によって明らかにする。
一般的にその方法は以下のようなものだ。
1.連続観測法
2.ワークサンプリング法
3.その他
連続観測法は先週解説した時間観測と、その手順自体はほぼ同様と考えていい。目的が違うだけだ。まぁほとんど同じだ。
だいたい普通はワークサンプリング法で測定する。
定時観測をしてしまうと機械のサイクルタイムなどと同期してしまう事があり、観測結果が信用できなくなるので、必ず「ランダム時間表」というものを使用する。
昔は関数電卓から乱数を拾っていちいち計算して作成したが、今はExcelなどの表計算ソフトの関数を使えば簡単だ。やり方は、検索エンジンで「ランダム時刻表 Excel」と検索すればいくらでも引っかかる。
あとは観測項目を決めるのだが、これを適当に決めてしまうと、膨大な観測時間が無駄になるので、慎重に且つ関係者とよく論議して決める。
但し、観測項目が多すぎると、これまた観測時に観測員が迷っているうちに状態が変わってしまう、という事が発生するので、数項目から6,7項目程度にしておこう。
10項目は多すぎる。7項目でも多いかな。
これも観測が済んだら速やかに集計して、仮の評価を行う。
職場の状態に偏りがあったり、午前午後で変化がある場合は、それぞれ観測しておいたほうがいい。
集計し、作業者どうしの話し合いが多いなら、何を話していたかインタビューし、例えば作業のやり方の話が多いなら標準化が甘いのかもしれない。などなど改善ポイントを探してゆく。
時間観測と同様に、観測される側の理解が乏しい場合には正しい観測結果にならないこともあるので、互いのコミニュケーションは大切だ。
その他の方法、としては日報を集計するとか、センサーなどで作業者の位置を記録するなどがあるようだが、私は経験がないし、ワークサンプリング以外の方法で本当に正しい観測ができるのだろうか、疑問だ。
次回は工程分析について解説する。
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今日の一曲
「Asayake」CASIOPEA
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