今になってようやく新疆ウィグル地区のジェノサイドが問題にされているが、私で言えば既に2010年頃にはその問題を知っていたし、知っていた人は多かったはずだ。
仕事というものは客観的事実を元に進めなくてはいけないが、経営層はその上で自身の「意志」を発揮し最終的な決断に繋げなければ、経営者としてそこに存在している意味がない。
以下は全て客観的事実だ。
・綿花は中国産が安い
・混打から製糸までの生産も中国が安い
・編み立てから生地への生産も中国が安い
・染色も中国が安い
・縫製も中国が安い
・販売も中国が大きな市場だ
だから材料調達から生産、販売まで全て中国で行う事が合理的だ、となったのだろう。
しかし、新疆ウィグル地区でジェノサイドが行われていた事は、2000年代の初頭から既に報道されていたにもかかわらず、それは ”客観的にはまだ事実と認められていなかった” から、誰もがそのアタマの中から(意図して?)除外し、漫然と事業を進めていた結果が最近のコレだ。
2009年にはウィグルで暴動が発生していたのだし、2014年には既に組織的な虐殺が行われている事は報道されていた。
そもそも、2010年頃以降に中国に滞在した事があれば皆知っているが、中国内のホテルでNHKの国際放送を見ていると、ウィグル関係の話題になった瞬間画面がブラックアウトしたのは経験していたはずだ。
今対象になっている企業の経営層は、当然中国内の滞在経験はあっただろう。
だから、まともなアタマを持ったまともな経営者なら、新疆辺りがヤバイだろうという事はあの時点で気がついていたはず。
何故、彼ら経営者達は「あたりまえの良心」を、その経営判断の過程で発揮できなかったのだろうか?
何故なら、元々彼らは自分の意志で決断なんてしていないからだ。
単に、部下から自分の目の前に提示された ”客観的事実” というサイコロの出目を見て、人生ゲームの盤上のあの ”自動車コマ” を進めているだけなのだ。
愚かとしか言いようがない。
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今日の一曲
「Oops!... I Did it Again」Britney Spears
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