tomo1961’s blog

-55を過ぎてギターを始めた男が早期退職した後の顛末'ing-

数字に騙されない力とは [No.2021-099]

 

早期退職してもう1年以上経ったが、このブログを書いていることもあり、時々気になって「定年」などのワードをキーにして検索してしまう。

 

するとまた、こういう”浅知恵”記事を見つけてしまった。

www.itmedia.co.jp


あまり非難したくはないが、こういう浅知恵の煽り記事に動揺させられてしまう若者が不憫なので、この影響力に乏しいブログではあるけれど、間違いを指摘させてもらう。

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記事では、今年就職した世代が定年になる2064年には、現在1.10倍の有効求人倍率が1.55倍になる。さらに別の数字を使えば1.77倍だ。だから、43年後は今以上に慢性的な売り手市場になって人手不足になっている。還暦にもなって人手不足だから仕事を辞められず大変だぞ。定年も無くなり黙っているとずっと働かなくてはならない時代になる。

 

と、

 

おそらくこの記者は、就業と定年に関連した煽り記事を書こうという明確な動機のもとで執筆を始めているのだろう。

 

何故なら数字の扱いが乱暴なのだ。


乱暴というか、数字を数字として使わずに、その意味を無視して一つ一つの単語として文脈に組み入れているに過ぎない。

 

そもそも、求人規模はその時の経済の規模におおよそ倣う、という事を無視してはいけない。

 

この記者ご本人自身が書いているように「有効求人数の213万5199件はそのまま変わらないとして」と現在の求人規模そのまま43年後の計算に使っている。

 

考えてみて欲しい。

国の人口が3割減少するなら、経済規模もほぼ同様に縮小するのに、それを「無視して計算します」と言って記事を書き進めてしまったのだ。

 

まともな神経の持ち主とは思えないな。

 

さらには「定年は延長され65歳以降も働くことになるが、それを過ぎたら自分自身でリタイアのタイミングを決めなければならない」とも語っている。

  

しかし実際には、日本では資産運用がこれまで以上に伸びていて、近い将来、60歳以前か下手をすれば50歳前後で早期リタイヤする国民は増えてゆくだろう、そういう予測もある。

 

「ニュース 資産運用 早期リタイア」と検索すれば多数の記事が引っかかるだろう。

 

早期リタイヤが増えてゆくという予測と、記事の結論とは全く相反している。

 

「資産運用による早期リタイヤ」は昨今のトレンドワードなのに、記事中では全く触れていない。触れてしまうと意図通りに記事が成立しないからだろう。

 

彼の主張を記事の字面だけ追って信じてしまった若年諸君には「数字に騙されてはいけないぞ」と言っておく。

 

未来の運命は誰にも的中させられないが、出来る限り正しい予測をする努力は無駄ではない。

 

今回取り上げた論評のような、未来を細長い筒で見るような情報を盲目的に信じないよう気をつけて、多くの情報を取り入れ、近い将来も、中長期の未来も見据えて自身で決断し、将来を見据えつつ今を頑張って欲しい

 


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今日の一曲
「さよならの今日に」あいみょん

さよならの今日に

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