tomo1961’s blog

-55を過ぎてギターを始めた男が早期退職した後の顛末'ing-

会社を燃やしてしまった愚かな経営者たち [No.2021-088]

 

ルネサスの工場で火災があり商品の出荷ができない状態になっている。

 

火災原因はまだ報道されていないので、この件については何もコメントは出来ない。

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私が現役時代にも何回か取引先が火災を起こした事があり、都度供給してもらっていた部品がストップした。

 

そのうちの一例は悲惨だった。古い木造建屋を全焼させてしまったのだ。

 

従業員30人程度の小さな会社で、大学を卒業後従業員として働いていた息子に、創業社長から経営を引き継いだばかりだったのだそうだ。

 

原因は消防の事故検証の結果「漏電」によるものと判明した。「漏電」ならそれは事業者の管理責任だ。

 

何故なら全焼火災にまで至ってしまうほどの漏電は、事業者が=経営者が、適切な安全管理を行っていればほぼ未然に防ぐ事ができる。

 

・日常の点検

・管理者による定期見回り(巡視や内部監査)

・メンテナンス

・漏電遮断器などの必要設備の設置

などなどを定期的に地道にやっていれば発生しないし、万が一発生したとしても全焼火災にまでは至らずに、最悪でもボヤ程度に済ます事ができるはずだ。

 

それに、今どき木造建屋で消費電力が大きな機械を何台も使っている姿を目撃すれば、ある程度経験のある管理者なら、その場で真っ先に漏電火災を連想するだろう。

 

が、その経営者は全く無頓着だった上に、日常管理も全て担当者任せだったと聞いた。

 

結局、火災以前の生産状態に戻すのに数ヶ月掛かるとされ、うちの会社を含むほとんどの客は緊急で手配先を変更、という事になった。

 

変更された手配先で事が足りたなら、わざわざ火事を起こした会社に手配を戻すなんて事は、普通はしない。

 

結局新建屋を建設して機械も新調し、約半年後には「箱」としては再建できたが、注文はほとんど戻らなかったらしく、残念な事に経営難を苦に若社長は自殺してしまった。

 

経営者として安全管理について”無知”だったようだが、残念な事だ。

 

その後、会長になっていた父親が社長に復帰して再建し、倒産は免れたようだ。

 

都道府県は、職長や安全管理者に対する教育の制度を持っており、所轄内の事業者は格安で関係する研修を受ける事が出来る。

 

私もリーダ職だった時には何度か受講したが、安全管理だけに留まらず、マネジメントの基礎のまた基礎=管理者が管理しなさいという、あたりまえの事が含まれている。

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その殆どがそもそも論の類の基礎の基礎だから、わかっている人や経験者は眠くなるような場面もあるが、”長”や”リーダー”がつく役職の者で一度も受講していないとしたら、例えば「水は飲めるが、人は水中では息ができず死んでしまう」というようなわかりきった事を知らない事になる。

 

現役時代にもこういう”ヤバい人”を目撃した事があった。

 

その彼は機械に貼られていた古いステッカーを剥がした後、その痕が汚かったので清掃していたのだが、駆動モーターがかなり高音になる設備が稼働中にも関わらず、機械の上に有機溶剤の容器を置いて、時々ウェスに垂らしながら作業をしていた。

 

その瞬間に発火してもおかしくない状況だ。

 

私は即「おい!それはあぶないぞ!」と声を掛けて容器を移動させたのだが、本人はただポカンとしていただけだった。

 

それから、その有機溶剤の発火性と、その溶剤は空気より比重が重たいのだという事について説明したのだが、理解した後本人は「知りませんでした」と平謝りだった。

 

文字通り知らなかった事に対して謝っていたのだ。

 

燃えるものは何か?

有機溶剤、ガソリンなどは揮発性で爆発的に燃える。

>高輝度ランプの近くで有機溶剤を容器から小分けしていれば、溶剤のベーパーが机上を這って流れるので高熱部に到達したところで発火になる。

 

発熱しているものはなにか?

>モーターや電熱線が使われている装置は発熱しているし、正常に稼働している状態でも設備内で小さなスパークが発生している事がある。

 

負荷が大き設備はどういった特徴があるのか?

>やはりモーターが入っているものは大電力を消費する。

>電力を消費するということは発熱がある。

 

その他、粉が舞うような現場では粉体爆発が発生しないよう防爆建屋/設備が必要、等

 

まだまだあるが、こういった事は製造工場では基礎の基礎知識だ。知ってて当たり前のこと。

 

逆に言えば、知っていて当たり前の事を知らないと、必然的に事故が起きる可能性が高くなる、という事だ。

 

しかし、こういう話をすると「でも何十年も事故なんて起きてないよ。あんたの言ってる事はただの大げさな話だよ」というやつがいる。

 

こういうのが必ずいる。下手をすると役職者にもいたりする。

 

彼は無知な事に「ハインリッヒの法則」を知らない...困った事だ。実際に本当に事故や災害になってしまうのは、要は確率の問題なのだ。

 

逆に言えば、相当ヤバイ事をやっていても大抵は事故にはならない。

 

但し、それを放置していると確率が上がっていき、ついには事故になる。長年放置された不具合が原因の事故は規模が大きい。

 

だから、常に徹底的に日常管理で抑え込んでいなければならないのだ。

 

そして、その日常管理を経営者が必ずチェックする。小さな事業場なら経営者自身が安全管理者の一人となる。

500人程度の事業場なら社長は安全管理者として日常点検に参加していた方がいい(しなければならない)。

 

従業員も定期的な安全巡視に社長が来るとなれば、大切なことだと認識するし、管理の徹底的度合いも数段上になる。

 

だから労働災害、事業場災害は経営者、管理者の責任だ。

 

ルネサスの火災はまだ原因が特定されていないようなので、こういった安全管理の不足が原因ではなく、不可抗力だったのかもしれないが、もし不可抗力だったのであればなおさら興味がある

 

事業場火災というものは、県の安全管理研修や職長研修で教えてくれる程度の事を、普通に真面目にやっていれば、そうそう起こるものではないからだ。

 


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