tomo1961’s blog

-55を過ぎてギターを始めた男が早期退職した後の顛末'ing-

香港のこと [No.2021-082]

 

とても残念な事だが、香港はもうダメだ。本当に残念だ。

 

私は2009年頃から12年にかけて、仕事で中国に行くことが多かった。香港はいつも通過するばかりだったから、いつか旅行で行ってみたいと思っていたんだがなぁ。

 

出張では、何回かの例外を除いて、通常は香港空港でタクシーを拾い、そのまま橋を渡って「深セン湾口岸」という名の通関ポイントから中国に入国する。

香港からの通関ポイントは他にもいくつかあるが、私達はいつもここを使っていた。

 

香港のタクシーは本当にいろいろなドライバーがいて、ある時に乗った車は、写真のように数台の携帯電話が設置されていて、何をやっているのかと聞くと、走りながら株の取引をしているという。

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2009年の事だからまだまだガラケーで、この写真に写っているだけでも7台の電話を、おそらく自作の切替器を使って手元で操作しながら、複数の相手に注文を出しているのだ。

 

もちろん運転しながら。

 

さすが香港は自由の国!資本主義の城だな!と感じたものだ。

 

深セン湾口岸”に着くと、香港空港で拾って乗ってきた通常の香港タクシーはそれ以上は入って行けないので、タクシーを下車して徒歩で通関ビルの中に入る。

 

ビルに入るとすぐに香港からの出国手続き。通過後そのままビルの中を歩いて越境となる。

 

ビルの中間辺りに線が引いてあってそれが国境。

 

初めて行った時には、ここが国境だね!なんて言いながら同僚と写真を取ろうと構えたら、すぐに中共の公安が飛んできて静止されたっけ。笑ったなあん時は。

 

越境後、今度は中国側の入国審査を受けてまた歩いてビルを出るとそこはもう深セン市内だ。香港タクシーを降りてから450mくらい荷物を引いて歩く事になる。

 

ビルを出てバスターミナルを抜けるとタクシー乗り場なので、ボッタクリの白タクに引っかからないように、正規のタクシーを(いなければ待って)拾って会社指定のホテルに入る、というルートだった。

 

深セン市に入ってしまうと、当時でも既にFacebookには繋がらず、NHKは映るが新疆ウイグルなどの話題になると画面がブラック・アウトしてしまう、という環境となる。

 

そんな事だから出張では香港は、タクシーで高速道路を通過するだけだったのだが、二度だけ帰りの便の都合で香港側に宿泊する事があった。

 

会社からは ”香港ではホテル近辺から離れる事のないように” というお達しが出ていたが外に出てしまえばそんな事は関係ない。お互い知らずに済めばそれでいいのだ。

 

その時の同僚数人に声を掛け、賛同してくれた2名を連れて3人で地下鉄に乗り九龍のアベニュー・オブ・スターズ辺りに出て、例のあの夜景を見物してきた。

 

夕食に出たホテル近辺の街もにぎやかだったな。

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退職したら夫婦旅行で来たいなぁなんて漠然と思っていたのだが、今回中共の手に落ちてしまったからには、怖くてわざわざ旅行で行くところではなくなってしまったな。

 

本当に残念だ。

 

 

今日紹介している尾崎亜美の「香港紙人形」だけでなく、カンフー映画など今まで持っていた我々の香港のイメージは既に実際ではなくなってしまったのだ。

 

重ね重ね残念だ。




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今日の一曲
「香港紙人形」尾崎亜美

香港紙人形

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