父が週に2日、火曜日と土曜日にデイサービスに通っていることは以前の記事に書いた。
その後も行く日の前の晩になると「明日は行かないから」と言ってゴネていた。
一番困るのは母親で、ほぼ泣きそうな感じで私に助けを求めてくる始末。
先週の日曜日、本人が突然こう言い出した。
「あの施設で働いているのは職がなくて困っているような子達だから知識がない」
「生きる価値がない老人が送り込まれている施設」
などなど、デイサービスや介護保険制度に対する偏見の数々。
これにはさすがに驚いた。どんだけ昭和なんだ?!
そして更に話は続き、最後はしくしくと泣いていた。
確かに介護保険制度にデイサービスなどの事業が創設されたのは70年代の終わりだから、当時は高度経済成長が終わりつつあり、その後の”日本総ブラック企業時代(私が創った造語)”が始まった頃か。
父を含む当時50歳前後だった勤め人は、バリバリの企業戦士として、本当に戦士として”死ぬ気で”働いていた(亡くなった人も多かったのに話題にもならなかった時代)頃だから、社会制度に興味がなかった人達は、介護保険制度の事については、文字通り何も知らないまま今まで来てしまったんだろうな。
と、考えてみれば変に納得はしたが、父がそんな程度の理解しかできていなかったとはショックだった。
一通りじっくりと言い分を聞いた後、”ここは冷静になねば”と自分に言い聞かせ深呼吸をした後、ゆっくりとじっくりと説明した。
介護保険には父も若い頃から大きなお金を支払ってきている事。
デイサービスで働いている人達は、きちんと教育を受けて資格を持っているという事。
ケアマネージャーももちろん資格を持っていて、全体をまとめる大変な仕事。
リハビリの指導をしてくれている方達は、作業療法士、理学療法士の資格を持っていて、とても難しい資格。
など。
聞いている父親はかなり驚いていた。「そんなことは初めて知った」んだそうだ。
それにしても、まさかこんなに無知だったとはなぁ
で、その日からは多少ぶつぶつ愚痴っているようではあるが、母にはもう文句を言わなくなった。
とりあえず一息つけそうな感じになって良かった。