tomo1961’s blog

-55を過ぎてギターを始めた男が早期退職した後の顛末'ing-

今さら聞けない仕事のツール その1 [No.2021-058]

 

今回から毎週金曜日は「今さら聞けない仕事のツール」シリーズと銘打って、私が携わってきた「製造業の製造部門」に限定し、仕事のツールについて論議したいと思う。

 

但し、現代に通用している月並みな事を、教科書みたいに、こんなマイナーなブログに書いてもなんも面白くないので、ここでは、もう忘れ去られたけど大切な事や、既に用済みになって捨て去られたような事を、その昔、今は六十間近のおじいさんが若い現役バリバリだった頃を思い出しながら書いてみたい。

 

今回から先ずはしばらくは、当時使っていたツール類(用語も含んで)を思い出すがままに、且つカテゴリに構わず羅列してコメント(思い出?)をつけていってみたい。

 

漏れがあってはいけないので、私が当時使っていた「ー現場で生かせるーワーキングハンドブック PHP出版」の目次を辿り、次いで古い品質管理の教科書などを辿りながら、思い出すがまま書いてゆく。

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品質管理

今はもう「品質管理」と言えば当時とは違い広い意味の名詞になっているように思うが、元は「統計的な評価を基に、顧客の求めを満足し、且つメーカーとして経済的にバランスが取れているものを供給し続ける為の管理」というようにまとめられていた思われる。

現代では、このような事を当たり前に達成した上で、出来る限り良いものを追求する。または追求された状態をいかに安定させるか、という意味も含まれているので、当時と異なった使われ方だ。

 

当時しきりに言われていた「過剰品質避ける」という事は、今はあまり論じられていないのではないか?

 

当時は平均的な顧客を満足させた上で同時に適切な利益を得る、ということだったが、今の日本製品はほぼ全てが、平均的な顧客にとっては十分以上に過剰品質になっているし、これは歓迎すべきことだ。

 

従って今は、もちろん適切な利益を得た上で、出来る限り良いものを市況に供給する為に行っているのが「品質管理」と言える。

 

PDCA

若い人は知らないと思うが、当時は品質管理、向上はPDCAによってのみ達成される、という神話に騙され、変なフォーマットを埋めてゆくのが仕事になっていた人も多いのだ。

 

私達の年代は、各社、各部門で、PDCAの各ステップ毎に記入しなくてはならない項目が書かれた”なんちゃらシート”みたいなものが沢山あって、悶々としながら作成した方は多いと思う。

はっきり言ってあまり意味がなかった。私もOODAを知るまでは疑問に思いながらも信奉していたほうだった。

 

PDCAサイクルの考え方は、学習用としては頭の体操にはなるとは思うが、もう忘れ去ってしまったほうが良いのではないか。

tomo1961.hateblo.jp

ISO9001の2008年度版までだかその前の版だかまでだと思うが「PDCAはあらゆるプロセスに適用すべき」というようなニュアンスで書いてあったと思うが、これは明らかに間違いだ。

PDCAが適用可能なのは、既に出来上がっている運用中の仕組みの日々の改善だけだ。

 

旧QC7つ道具

パレート図、特性要因図、チェックシート、ヒストグラム、グラフ、管理図、散布図

この7つが旧QC7つ道具と言われ、こういうツールを上手く使って事実を明らかにし、問題や課題を見つけ出す

さらに「新QC7つ道具」もあり、これらツールを適宜有効に活用して問題解決を測って行けるのが、当時の製造工程スタッフだったが、私が30代の半ば頃には既に、製造工程は「決められた事を決められた通りに実行する部門」に落ちぶれていた。

 

現役最後の10年は、こういうツールが使えるスタッフや技術屋がいて活用されている企業と、全くできない企業とに二分されているように感じていた。

業界によっても違うと思うので、私の属していた業界、と限定しておくべきなのだろうが、このようなツールを使いこなせる人材が減り、”日本製造”の力が弱りつつあるようにも感じている

 

 QC(問題解決)ストーリー

7つ道具のようなツールを使って、QCストーリーに則ってテーマを進めてゆくと、チームやプロジェクトの力を結集しやすくなり、そこそこ難しいことも割と楽に解決する事ができる。

1.テーマの選定
2.現状の把握
3.目標の設定
4.原因の分析
5.対策立案/実施
6.効果の確認
7.歯止め/標準化

 

「テーマの選定」という言葉が泣かせるね。現代の人から見ると不思議に思うだろう。

 

しかし、当時の日本、いや日本だけでなく地球上の全ての製造業では、日々不具合が起きていて、とても全て解決することは出来ない状態のままで走っていた。

従って、困っている多くの不具合や問題の中から、対策すべき優先項目を選定するステップが必要だったのだ。

 

だから当時は不具合や問題は常に頭の上に降り注いでいたのだ。

 

現代では、テーマを選定するのではなく、上位方針を達成するためとか、理想に近づけるために何が出来るのか?という「課題設定」を最初のステップにしているだろう。

 

既にある事を対策するより、まだ見えていない事を達成する方が何倍もも難しい。だから今の人達は大変だと思う。

 

来週は「旧QC7つ道具」の各ツールとは何か、をそれぞれ解説する。


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今日の一曲
俺達は未来になにか残せたんだろうか?
そして今の君たちは何を残そうとしているか?
千年後、我々の足跡は人類の役に立っているだろうか?

「2992」THE MILLENNIUM PARADE

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(図解でわかる部門の仕事) 改訂版 品質保証部
 

 

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