tomo1961’s blog

-55を過ぎてギターを始めた男が早期退職した後の顛末'ing-

退職前までに自分の居場所を作ろう! [No.2021-035]

退職後”自分の居場所がない”という話を聞いたり、ネット上の記事などで観ることがある。

現役時代に頑張って資産を作り退職し、ようやく自由な時間を持てたというのに、その現実は自宅にさえ居場所が無い、なんて残酷すぎないか?

 

今日は退職後の居場所作りについて書いてみたい。

 

  

平日朝書店に行ってみると

私は読書は大好きなのだが、根っからのオタク体質なのでめったに書店に行くことがない。本はAmazonなどネットショップで買うか電子書籍Kindle,AppleBooks,青空文庫など)で読む。

それでも、極たまに書店に行くことがあるが、私の住む信州の田舎でも、平日の開店直後にも関わらず同世代の方が必ず数人はいる。そしていい趣味じゃないけど良く観察してみると、なにか目的があって来ているのではなく、店内を漫然と徘徊しながらずらりと並んだ背表紙を眺め、時折そのひとつを手にとっては棚に戻している、という感じだ。

こういった姿を見てしまうと「家に居場所がないのかな?」なんて思ってしまうのだが、相手から見れば私も同じように見えるだろうね。

 

自分の家と言えども”居場所”の確保には時間がかかるものと覚悟すべし!

さて本題に入ってゆくが、居場所を確保するということについて、先日の記事「定年退職は”計画”して”実行”しよう その1」で少しだけふれた。

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あなたが退職後、引き続き外に働きに出るのなら何も問題ない。今まで通りでいいのだが、働かず家にいる場合や家で何か”金になること”をする場合に、居場所を確保しておく必要がある。これは必須の達成事項だ。

 

これは概念的な”居場所”の話ではない、物理的に自分自身がいる場所のことだ。

 

しかし、家の中を見回してみて欲しい。本当に確保が可能だろうか?確保できたとして、そこが本当に家族のじゃまにならないか、家族から邪魔されない城として築城可能かどうか?よく検討すべきだ。OODAで考えてみよう。

O:家の中の調査観察。家族の行動の観察。完成状態のイメージ。
 ⇒私の場合:1階の小座敷6畳間 or 就職して名古屋に行った長男の部屋がある

O:イメージとのギャップを把握し見極める
 ⇒私の場合:上記二部屋の内どちらか確保できればイメージ通り

D:決定する
 ⇒私の場合:長男の部屋を確保することを決心

A:家族の同意を得る、机棚など必要品を確保し、築城を開始する

 ⇒私の場合:長男の部屋を使うことの家族の同意が得られ築城にスタートをかけた

 

私の場合は長男の部屋を取ることになるのでかわいそうだったが、本人は就職する時に「万が一転職して地元に帰ってくるような事があっても一人暮らしするから使ってもいいよ」と言ってくれた。

 

株式会社「家庭」の社長「奥様」との冷戦に勝利すべし

上記と並行して、今更自分の部屋が欲しいという私の希望に関して、株式会社「家庭」の社長であるヨメさんは少しだけ難色を示したものの、私の場合はそれほどの抵抗はなく勝利をおさめることが出来た。うちが信州の田舎の割にはかなり小さいものの1軒家であるという条件も味方したと思う。

しかし、先輩方や世の話を聞くとこの折衝に難航したという話はよく聞く。

ある車好きの先輩は若い頃に自宅に自家用車2台とバイクが数台余裕で入る立派なガレージを建てたのだが、退職時には家の中に居場所を確保する事ができず、ガレージの隅を仕切って自分の部屋にしたという。「かなり快適」だが「冬は厳しい」と言っていた。笑えない。

 

数年間かけて行動する事!「孫子の兵法」や「やくざのかけひき」に学べ!

さて、以上を進めるにあたり様々な抵抗や問題,課題にぶつかると思うが、死ぬまでつき合っていく家族やヨメさんと揉め事を起こしてはいけない。絶対に平和を維持しつつ解決しなくてはならないのだ。

 

折衝に失敗したら引き、次の手を考えて再び折衝に臨む。

 

このような戦略論を語る時に必ず出てくるのが「孫子の兵法」だ。

 

孫子の兵法は、最近では中国共産党の戦略としてあまり良い印象がないかもしれないが、折衝法としては自分の引き出しの一つに入れておいて損はない。

 

この記事で論議している家庭内の居場所確保については、絶対に揉めてはいけないので「戦わずして勝つ」という戦略を基本として折衝と謀略の動きを取る必要がある。

謀略というとブラックな印象になってしまうが、要は後でヨメ様が「騙された!」と気が付かなければそれでいい。そういう策を打つという事だ。ここは要注意だ。

 

折衝で相手に勝るには先人の知恵を借りるに限る。孫子の兵法に関する書籍は最低1冊は読んでおこう。

加えて折衝で役に立つのは「やくざのかけひき」だ。これも先人に学びなんとなくで良いので自分のものにしておこう。

 

自分の居場所を確保するだけでなく、退職後は全てにおいて自分自身は自分で守るしか無い。だからこういう戦略論は学んでおいて損はないのだ。

 

以下私の手元にある本を推奨図書として各1冊載せておく。

  

 

お金がかかると必ず抵抗される

いずれにしても、これから収入がなくなる、又は激減するというのに「部屋がほしいからン万円かかります」なんて事を言ったら抵抗されるのは当たり前だろう。それにそんなお金があったら運用資金として投資の種銭にしたほうがいい。

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私の場合は、机は既に結婚した長女と、就職して名古屋に行ってしまった長男が小学校に入った時に買ったもの、PCは1台は自分のMacbook Pro(2014-Midなのでもう古い)だがWindowsPCはやはり長男が学生の時に使っていたものだ、音楽を聞くのに使っているスピーカーやプリンターは次女が学生時代に使っていたもので、就職して新しいのを買ったからと言って持ってきてくれた。テレビも長女が学生時代に使っていたものという事で、かなり物が”お下がり”だ。

 

従って自慢できるようなとか、おしゃれとかセンスとかからは、だいぶかけ離れているが、何にしてもこのような自分のお城が出来た。投資の情報を得たり物書きの作業をしたりネットを徘徊したり動画を見たり読書をするには充分だし、この写真の背後には山用具を置けて、便利ないい居場所になったと思う。

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 この部屋は収納以外はほぼ自分専用に確保できているが、鍵はないので家族は出入り自由だし、入口のドアは夏場は開けっ放しにしている。

 

退職の数年前までに居場所を完成させる

このような戦いを行うにあたり、退職した時点からやっていては、それは人生のロス以外の何物でもないと思う。私の場合は退職を心に決めた55歳から動き始め、じわじわと少しづつ必要物資を運び込んで城として、必要とあらば”籠城”できる今の状態にできたのはもう退職が近くなった頃だった。

 

要は退職日時点までに、”お城で籠もる”という生活スタイルが、家族から見て”普通”になっているかどうかが勝負だと思う。

 

退職日より以前から休日になると城に籠もっていれば、退職第一日目も家族から見れば普段の姿というわけだ。肝心なのは退職日を境に家族に精神的な事も含めて少しでも負担がかかるような事になってしまえば、それは”新冷戦”の始まりということになる。

これではいけない。

 

冷戦の集結と友好不可侵条約の締結

居場所が確保できたら、家族、特に奥様との「友好不可侵条約」の締結を行う。私の場合はヨメさんの方から締結を持ちかけられたのだが、それはこういうものだった。

・毎日の掃除は自分でやること

・自分のスペースの物品の管理は自分でやること:余計なものは逐次処分すること

・月曜日朝は掃除機をかけるので床にあるものを上げておくこと

・部屋に鍵はつけないこと

 

さて、ここまで読んでいただきあなたの考えは整理できただろうか?

 

わたしの場合は少しレアなケースに属すのかもしれない。特に都市部で借家の場合はなかなか難しい場合もあるだろうから、具体的には参考にならない方も多いだろうが、とにかく退職後の自分の居場所は必要で、それは数年前から準備を始めるべき、という点では退職が近い全ての会社員の方々に適用可能と信じている。

 

 数年がかりの長い戦いになると思うが、うまい戦略を練って実行し、良い結果を掴んでいただければ幸いだ。

 

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私のもう一つのブログ「50歳からの単独行」も、是非御覧ください。
50歳から再度山に登り始めたお話を小説風に書いています。
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