退職後は気が抜けたようになるとか、何をしたらいいのかわからないというようなことを聞いていたが、自分はそうならなかった。何故か?1日目に何をするか?その後どういう生活をしてゆくか?決めてあったからだ。
会社に勤めていた時は、決まった時間に起きて自家用車で出勤していた。公共の交通機関はほぼないといっても良い田舎だ。
始業の30分から1時間ほど前に職場に入り段取りを確認してから社員食堂に行き、コーヒーを飲みながらスマホを見たり読書をしたり、めったになかったが夜のうちに海外拠点から不具合情報が入っていた場合は、この時間を使って始業前に関係部門に情報を出し、関係者でその情報を分析など、ということもあった。
地方の事業場なので始業時間は8時15分と早い。時間になると館内放送でNHKのラジオ体操が流れる。若かった頃は違ったが、この体操を真面目にやると一日体の調子が良かった。
若い頃は残業が多く帰宅が次の日になったり徹夜になったり、休日出勤も珍しくなかったが、最後の5年間はほぼ定時退社の毎日だった。
いずれにしても37年間毎日、曜日と時間に従って生活していたのだ。
もともと不規則な時間で動かざるを得ない仕事だったという人は大丈夫なのであろうが、自分のような規則的な生活を退職後崩してしまえば、何らかの歪となって健康に害が及ぶであろうことは容易に想像できた。なので、退職することを決めてからは...実際に退職することになる3年ほど前から、休日でも同じ時間に起床し朝食を摂り、NHKのラジオ体操かEテレのテレビ体操を今でも毎日続けている。
話は飛ぶが、毎日だった晩酌も退職の1年前から金と土曜日の晩だけにした。
体操の後は自分の部屋を掃除する。
そうそう、自分の部屋の確保は必須だ。なくては退職後の生活は成り立たないと思う。べたべたヨメさんに絡んでいたら嫌われてしまう。
お金については後で書くが、退職時に大きな額を手にしているとは言え、とにかく節約しなければならないので、物置になっていた子供部屋から上の二人が使った勉強机を運び込んで並べ、嫁に行った長女が独身時代に使っていたテレビをもらうなど、退職まで3年ほどかけ、お金をかけずに自分用の秘密基地を構築してきてあった。
毎朝部屋を掃除し、
5,000歩程度のウォーキングに出て、
その後コーヒーを淹れ部屋に籠もる。
初日から株式投資を始めた。半年ほど前に証券口座を開設し数万円の少額投資で操作方法などを学習していたので、まずは特別退職金を使って少しづつ投じて...もちろん書籍やネットの情報などで学習しながらスタートをかけていった。
退職後の手続きがかなりあるので、これらもこなしながら、と、なかなか忙しいスタートになる。こなしておくべき事は後手に回らないよう先手先手で処理してしまい、自分の時間を空けるようにして活動した。
会社員時代に部下がいる立場だった人は私も含め手続きなど人に任せたいな、と考えてしまい結果ヨメさんに負担をかけている、という話を聞くことがあるが、そういうことは厳に慎むべきだと思う。退職後は自分の事は自分でやる、を徹底したほうがいい。
あとは、読みたかった本がかなり溜まっていたので、特に最初の半年間は時間があれば貪るように本を読んでいた。一方で時間を消費するだけの映画やドラマはなるべく見ないように気をつけ、これからの人生の糧となる知識や情報を得ることに主に時間を使うようにしている。
次回からは、お金のこと、投資のこと、コーヒーなどの嗜好品のことなど、順次詳しく書いてみたい。
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50歳から再度山に登り始めたお話を小説風に書いています。
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